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2008/02/15

◆近頃は東アジア5市場(日、韓、中、台、香港)の分足チャートが同じ波形を描くことが多い。また、NYダウなど米国株の動きの後を追うことは(極端な動きとなった日を除けば)以前よりもずっと少なくなった。アジア各国にとって米国が主要貿易国であることには違いないが、アジア内での貿易が拡大しヒト・モノの動きがかつて考えられなかった規模になってきたことが起因していることが主因か。米国株大幅安を受けた週末15日の動きもそうだ。中国・上海総合指数は若干違って、起伏が乏しく50〜100ポイント安水準でモミ合ったまま終了したが、日経平均株価は前場100円強の下げで始まり、後場13時10分前後に250円前後の下げを見た後、どんどん下げ幅を縮小していき、4円安の1万3600円台で大引けとなった。香港が同じ波形で最後プラスとなり、韓国は小幅下げとなった。米国株高でも、中国、香港市場急落になびく日は多い。日経平均の週足チャートは624円の陽線となり、昨年大納会以来7週間ぶりに前の週の終値を上回った。香港ハンセン指数もまた6週ぶりのプラス・・となり、この日はアジア・太平洋の星取表は7勝8敗で終った。

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◆しかし、正月来の下げ幅が比較小さい米国株は、サブプライム問題から解放される日はまだ訪れそうになく、リセッション(景気後退)懸念がさらに濃くなりそうだ。そして、NYダウは下落基調から抜け出せてはいない。東京市場では、この反騰局面での出来高、売買代金の乏しさが気がかりだ。この日は動きのよかった三菱重(7011)、住友化(4005)、三菱商(8058)などに政府系ファンドの買いが指摘された。三菱商は1月22日安値2245円から1000円超高の3280円まで回復し200日移動平均線、52週線を上抜きリバウンド相場から一段の上昇相場を窺う格好になってきた。三菱重はまだ75日線に届かず、13週線を上抜いたばかりであり、住友化にいたっては25日線、13週線にも届いていなく出遅れ感は著しい。来週は、米国株横目の相場となるか、それとも、米国株とは一歩離れ東アジア株とともに上値を試す動きとなるか注目したい。

◆筆者年間注目株「アドブルー」の日化成(4007)は今週195円引けとなった。5日に213円まで急騰した後の動きは、一時180円まで下げたものの悪くない。<25日線と75日線に挟まれ、急騰後のいい調整が続いている>とみてよい。連続大幅増益で連結経常利益の連続最高益更新という業績面のよさに加え、ディーゼル車の環境規制強化が続くなか、やがて排ガス脱硝用尿素水AdBlue(アドブルー)で次世代超低公害ディーゼル車関連株として浮上しようとする同社株はチャートを羅針盤にあわてずゆっくり先取り買いしていきたい。■前号紹介の科研薬(4521)やエプソン(6724)は200日線回復にむけた好展開が続いており、短期は反落狙い、中長期は買いの姿勢で臨みたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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