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2015/12/10

◆日経平均株価は前日比254円52銭(1.32%)安の1万9046円55銭と3日続落。前日の欧米株安に加え、円が対ドルで1円以上の円高推移となったこともあり投資家心理は悪化し朝方から利益確定売り売りが先行した。231円05銭安の1万9070円05銭で寄り付いた後、1万9120円台に2度切り返して、前場終値は1万9050円割れ水準。

 後場も1万9100円前後に戻しては上値が切り下がる格好となり、14時過ぎに1万9100円にわずかに届かず、その後失速していった。1万9000円台前半には、押し目を拾いたい個人投資家や機関投資家の買いが入っていたようだ。値下がり銘柄数は84.0%の1617とさらに拡大し3日連続1400超となり、10月14日の1678以来2ヵ月ぶりの高水準となった。

 内外での新たな先行き不安の拡大がなければ、売り飽き気分が出はじめてもよい水準になってきたとも言えそうだ。ここからの動きには慎重かつ、新たな動きの芽や市場の気配を読みつつ市場をウォッチングしていきたい。

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◆そんななか、アリアケジャパン(1815)は筆者証券会社時代からの注目銘柄だが、6640円と2001年9月株式分割落ち後の最高値を更新した。権利落ち後最高値をさらに積み上げ、記録上の高値7900円の最高値挑戦、そして、もう一段上を目指す新年相場に期待したい。もっとも、小型株ゆえ短期的な乱高下もあり、調整相場をはさみつつではあるが、足取りは次第に軽くなる方向か・・。

 この日は、みずほ証券が投資判断「買い」を継続し、目標株価を6290円から7520円に引き上げたことが買い材料視されたものだ。米国の利益率上昇を伴った成長見通しから、今後3年間の営業利益年平均成長率を28%を予想しているという。

 成長投資とのバランスを保った株主還元にも注目したと指摘する。今16年3月期第3四半期は米国営業利益率の20%超えに加え、苦戦していた欧州の営業黒字化の可能性が見えてきたとし、前年同期比32.7%増予想とした。買い付いた短期資金が株価を揺さぶる場面があれば拾っていきたい。

◆ユニチャーム(8113)が3日ぶりに小反発した。同社は筆者小学生時代に4年間ほど住んだことがあり、現在は四国中央市となっている街出身の創立者である現会長高橋慶一郎氏がリードしてきた。

 この日は、大和証券が「中国とインドネシアの紙おむつ事業の停滞により、今期連結業績は会社計画比大幅未達の公算が高い。しかし、来期は両国での旧製品在庫の払出し費用一巡や原材料安メリットなどを背景に大幅増益となる可能性が出てきた」と指摘したことが材料視された模様。15年9月市場投入の新製品が鍵となるとの指摘もあった。

 もっとも、テクニカル面では厳しい。今年9月の株式分割落ち考慮後最高値3398円を付けた後は、5月、10月と二段下げとなっており、長期相場を示唆する200日移動平均線は2790円と上値関門まで遠い。また、戻った後、三段下げの展開も予想される。それでもここから新年相場での上昇転換期を様子見、ウォッチングを開始したい。

◆なお、アイサンテクノ(4667)はこの日も5520円と2日ぶりに最高値更新。ここからは自動運転車云々よりも、「買うから上がる、上がるから買う」の世界・・。企業成長の夢の世界に入ってきた。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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