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2008/06/11

◆日経平均株価は前日下げ分を2円上回る162円高で1万4183円と3日ぶりに反発した。米国株への警戒心は変わらないが、為替の1ドル=107円台後半へ3カ月半ぶりの円安進行を背景に自動車、エレクトロニクス株など輸出関連株に買い戻しが先行したうえ、小売株がアナリストの評価を背景に堅調だったことが背景。ただ、値下がり銘柄数が851と値上がり数718を上回った。朝方はTOPIX業種別株価指数で値下がりは2業種に過ぎなかったが、大引けでは値上がり17日に対し値下がりは16と拮抗した。特に、不動産、銀行の下げは先行き懸念が残る。また、<海外株安に対し日本だけが頑強な動きは説明しにくい>ものがある。一度崩れかかったアジア、欧米株がにわかに好転するということは考えにくい。10日の海外市場ではドル高円安もNY原油先物やNY金の急落となったからよかったものの、それまでは、円安かつ原油・金高の最悪パターンだった。

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◆特に目立ったのは、テーマがらみの小型材料株や500円未満の低位材料株への物色意欲が衰えないこと。値上がり率ランキング上位銘柄には、一過性の低位思惑材料株が並んだ。また、前日急落した環境関連株は買い直され高値更新する銘柄が相次ぐなど人気は衰えを見せていない。環境関連株に関しては、洞爺湖サミットとまでの理想買いという時間との勝負といった感があり、買い急ぐシーンが多く見られた。■ただ、トヨタ(7203)が、この日、「2010年度に全世界の生産活動から出る売上高当たりの二酸化炭素(CO2)の排出量を、01年度実績比で35%削減する目標を新たに設定した」と発表したことから、リチウムイオン電池関連株をはじめ脱炭素化関連株が集中買いされた。トヨタはこれまでは01年度比20%減を掲げていたが、前倒しで目標を達成したためCO2の追加削減に取り組むというから、日本の環境対応車開発での先行振りが引き続き買いを誘ったようで、トヨタはハイブリッド車に搭載するリチウムイオン電池の本格生産を10年に始めることも正式に表明した!となれば、●値動きの軽い古河電池(6937)が100円高の1030円ストップ高に買われ、18年ぶりの4ケタ回復も当然か。●新神戸電機(6934)も切り返し、チャート悪化を防いだ。■太陽電池関連株も高島(8007)など思わせぶり低位株を含めプロデュース(6263・ジャス)が直近急落の反動高となるなど好人気となったが、当欄ではやはり、TAIYO(6252・東2)が22円高と切り返し、5月22日に246円の上場来高値をつけた後、220円をはさみモミ合う展開が続いてきたが、12日も続伸となれば、高値更新も見える位置まで浮上してきたことに注目したい。やはり、低位材料株の範疇にはいるかもしれない。ただ、高島(8007)などにわかランキング上位浮上銘柄は避けるべきであろう。●むしろ。環境対応車関連株であり、水処理関連株でもあるガイシ(5333)が、3月10日の年初来安値以降の底練りを脱し、75日線を上回った後も上値おいの格好となっていることに着目したい。水処理関連株は環境セクターの中でも後発であり、上昇余地を残しているとみるからだ。

◆いづれにしろ、当欄では、環境関連株も日柄はそう多くは残っていないと見ている。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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