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2008/09/05

◆5日、米国発の世界同時株安の輪が広がった。日経平均株価は一時400円弱下落し、3月17日安値1万1691円にあと472円の水準まで迫った。アジア・太平洋15市場も大きく下落し星取表は1勝14敗(1勝は内政混乱のパキスタン)と連日で厳しい状況となった。

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◆5日、発表された8月の米雇用統計は悪化した。失業率が6.1%と予想以上に上昇しほぼ5年ぶり水準となった。これを受け、NYダウ平均が一時150ドル超の下落となり、NY為替市場では1ドル=105円台央まで円高ドル安が進行する場面もあった。ただ、NYダウは、2日間で約500ドルの大幅下げとなったこともあって、買い戻しなどから上げに転じて終った。失業率悪化にも楽観的見方が一部で発信されたことが背景か!?ただ、米MBA(全米抵当貸付銀行協会)が発表した4〜6月期の米住宅ローンの返済遅延率や差し押さえ比率は過去最高水準に上昇したといい、依然、住宅関連指標、世界景気後退には注意を払いたい。

◆来週は、下げすぎの反動高局面を挟みつつ3月安値をにらんだ、厳しい展開か?留意すべきは、世界景気減速が背景にあるということ。再来週の米大手証券決算発表を前に、金融株は動きにくくなりそうだということもそうだ。ここまで、逆行高しているのは、ゴム製品、紙・パルプ、電気・ガス・・、いずれも、原油価格が7月高値1バレル=147ドル台から107ドル台まで下げたことが、収益回復期待の買いを誘ったことが背景。商品市況は、原油から非鉄貴金属、穀物・・へと下げの連鎖。原油価格下落は、8月の米自動車販売好転を誘ったが、個人消費の若干の回復振りがつたえらただけで、株価が好反応を見せる場面が見られるかもしれない。一方、商品市況も株式同様に急反発なんてなると、逆効果となるジレンマも抱える。

◆土砂降り状況のなかでも、たった一つ二つの当欄推奨株が急騰していれば気持ちは落ち着ける。筆者が夏休み前の8月29日号で注目した「人気薄、好業績、好チャート、割安株」では、●セブン銀(8410・ジャス)が、メガバンクの安値更新を尻目に反発した。「店舗なし、通帳なし、貸出なし」の同社には、金利上昇リスクはあるものの不良貸出の懸念はない。メガバンクと逆ベクトルにある非銀行的銀行の強みを持つうえ、上場来高値を追い続ける好チャートもあって、全面安商状のなかも上値を追う展開が続いている。2日の上場来高値29.4万円突破から30万円台相場を目指す動きが続くとみる。●また、CCC(4756)は、5日連続で年初来高値を更新。2007年2月以来1年7カ月ぶりに800円台を回復した。T会員数は月間100万人ペースの急拡大中であり、20代が会員数の52.5%を占め、同社を支える。●なかで、東武ストア(8274)が、前週戻り高値415円から5日前場寄り付き353円まで大きく下落。4月後半以降の安値ゾーンまで突っ込んだ。が、ここからの下値は乏しく押し目買い水準に届いたと見ている。●ユニチャペット(2059)は分割落ち後高値圏で推移しており、親会社ユニチャーム(8113)ともども「押し目買い」を継続。■新規に昨年9月最安値から上昇相場に転じた日本通信(9424・ヘラ)を26週線近くの8万円前後から「中期買い」とする。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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