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2008/06/12

◆日経平均株価が1万4000円を割り込んだ。急落で始まり、9時半前後からは概ね1万9000円割れ水準で推移した。東アジア市場もほぼ同様な1日チャートで終わり、インドなど4カ国が上昇したほかは下げ、星取表は4勝11敗と世界同時株安となった。前日、当欄は、「<海外株安に対し日本だけが頑強な動きは説明しにくい>ものがある。一度崩れかかったアジア、欧米株がにわかに好転するということは考えにくい」と記した。また、「前日急落した環境関連株は買い直され高値更新する銘柄が相次ぐなど人気は衰えを見せていない。環境関連株に関しては、洞爺湖サミットとまでの理想買いという時間との勝負といった感があり、買い急ぐシーンが多く見られた」が、この日は、日製鋼(5631)をはじめとした原発関連株や新神戸電機(6934)など燃料電池車関連株が下げ、エヌピーシー(6255・マザ)は反発したものの、TAIYO(6252・東2)が反落するなど太陽電池関連株・・と環境関連株も下げに転じた。■また、前日は、高島(8007)、GSIクレオ(8101)などが値上がり率上位に並び、「特に目立ったのは、テーマがらみの小型材料株や500円未満の低位材料株への物色意欲が衰えないこと。値上がり率ランキング上位銘柄には、一過性の低位思惑材料株が並んだ」と記したが、それらの銘柄も静まった。

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◆うれしいのは、そんななかで東京製鋼(5981)が逆行高し、34円高の306円と3日ぶりに大幅反発たこと。一時311円まで買われ、06年4月第4週以来の300円台回復となった。3月18日には04年5月以来の安値となる147円まで下げたが、そから短期3段上げでここまで駆け上がってきたもの。太陽電池ウエハ切断装置が牽引し利益を押し上げており、値ごろ感もとかつての仕手性から目先狙いの投資家の買いを誘っている。そしてこの日、<75日移動平均線が200日線を上抜く、中・長期線のゴールデンクロスが示現>。中期上昇相場入りを示唆した。もっとも、きょうの逆行高をみて、13日朝に高寄りした後、利益確定売りに下落する「陰線足」となる可能性はあるが、全面安商状の中から生まれた、思惑人気株として主役を張る可能性もある。「強気」を継続するが、「利益確定売りもまたよし!」。

◆不人気株のオリエンタル酵母工(2891・東2)が11日に605円まで買われ、昨年11月26日以来の600円台回復となった。「イースト菌トップではあるが、収益は伸び悩み手がかり材料がない」との見方がおおかたである。が、同社が持つ特許を金額に換算し、それを1株当たりではじき出すと、東証2部市場でダントツの<1株あたり特許金額>となる。そして、そのことは、国内よりも、ロシアなど海外アカデミーがよく知っている。薄商いで株価は動きやすいが600円前後なら打診買いしたい。■また、サイバネット(4312)、荏原ユージ(4975)など年初に上場来安値をつけた銘柄のなかから、ようやく、下値切り上げチャートを描き始めた銘柄も全般の動きとやや違った堅調展開が期待できそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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