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2007/09/10

◆10日の世界市場は、前週末の米雇用統計の衝撃が走り、アジアの4勝10敗1休場に続き、欧州の続落商状、米株もNYダウ平均こそ小反発も、SP500種指数やハイテク株の多いナスダック指数は小幅ながら続落し、値下がりした各種指数が多かった。世界の市場は、18日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)のあとFRBは実際に利下げするのかどうか判明するまで動きを取れないようだ。日本の場合は今週金曜日のメジャーSQ(特別清算指数)算出を控え、海外勢の動きや先物との絡みもあって、余計に動きが取れない。「外国人持株比率の大きくない、材料株でつないでいくしかなさそうだ」との声も聞かれる。チャートブックをめくっていくと7月以降の相場に背筋が寒くなる!そんな思いに襲われる。底入れが近いことを示唆しているのか、8月17日安値を割り込み、底値調べの動きが続くことを示唆しているのか?

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◆新日鉄(5401)は前週末7日のもろい値動きに失望したが、10日も朝の寄り付きウリ気配から30円安の759円で寄り付いた後は、戻りの動きは乏しくひところの頑強な動きを潜めてしまい、200日移動平均線を再び割り込んだ。日経平均株価は3日の戻り高値でも200日線とのプラスかい離を回復できなかった。主力大型株に海外投資家売りが続いていることの証しでもある。本欄では、来週が8月17日安値の週から5週目を迎えることから二番底を打つにふさわしい、つまり、厳しい状況を迎えると見ていた。が、今週にも前回の1万5262円を下回ることもありうると懸念する。

◆そんななか、目先資金が入りやすい材料思惑株のなかで、乾汽船(9113)の動きが注目される。商船三井系で不定期船の好調が続く同社株だが、大手海運株や新和海運(9110)が、調整色を強めるなか、一時2110円まで買われ、4日の上場来高値2155円をうかがう場面もあった。前場売り気配から95円安の1955円で寄り付いた後、上げ転じたもの。思惑株の一角を占めるMUTOHホール(7999)などとともに、市場を牽引する場面があるか、月初からの2100円台前半の壁を突破できれば、目先資金の流入、一段上の展開が予想される。きょう明日の動きに注目したい。

◆この日は反落に終った富士通ゼネ(6755)に続き、大株主がダイエーからパチンコ店舗展開するマルハンに代わってそれなりに時間が経過、先行き思惑相場が膨らみそうなイチケン(1847)に注目。主力の商業施設に加えマルハン絡みの受注拡大に期待がかかる。今3月期業績は売上高、経常利益とも若干ながら過去最高を更新する見通しにある。この日は全般安のなか、7円高の275円と反発して終った。280円台前半にある75日移動平均線クリアから、296円の200日線突破となれば、材料思惑株として独歩高も期待される。割り切った投資ができる方向けだが、短期銘柄として注目したい。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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