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2011/03/04

◆3月第1週末の東京市場で、日経平均は前日比107円高の1万693円と続伸し前週の下げ分の半分強を埋めた。TOPIXも続伸、全33業種が揃って上昇した。2月23日以降は毎日、85%以上の業種が上げるか下げるかする極端な一方通行相場が続いている。この日は、朝方から買い先行の展開となり、後場には、週末と米雇用統計発表を控え利益確定売りに上げ幅は縮小したものの底堅く推移した。3日の欧州株式相場が反発し、米国株式も続騰した流れから、アジア市場もまた香港、中国、韓国が1%を超えて上昇する世界同時株高となった。東京では、円が対ドル、ユーロで軟調推移が続いていることから輸出関連が相場をリードし、素材・資源関連、金融関連が続いた。■リビア情勢に対し悲観論が後退したといい、欧州ではインフレ加速に対し4月にも利上げとのECB総裁言及があった。米国では、前週の新規失業保険申請件数が予想外に減少し、2月ISM非製造業景況感指数も前月を上回った。景気の強さが市場を楽観に導き、過剰流動性を背景に株式相場の上昇が続いている。■ただ、前日広がったリビア情勢に対する楽観論は、「反体制派がカダフィ大佐に徹底抗戦の姿勢だ」との報道などもあって後退した。「中東の地政学リスク」をいって下げ、後退したといっては上げる」相場だが、中東・北アフリカなどのイスラム諸国が日本や欧米とは違った行動原理の上にあることは忘れるべきではない。もちろん、米国株を中心に海外株高に後押しされての昨秋からの上昇相場だが、その分、上昇ピッチはゆるやかで、日経平均で昨年4月高値1万1400円台を目指す構えは崩れていない。ただ、ここからは、上昇場面では、利益確定売りの頭で臨み、若干、突っ込み場面を待っての押し目買いの姿勢を残しておくべきであろう。

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◆マクドナルド(2702)は5日続伸し、2月4日の戻り高値と同時に200日移動平均線をクリアした。5日間で27円上げたにすぎないが。週足ベースでは2036円にある26週線を突破が見えた。その後は、昨年12月高値2150円、最後の上値関門である08年12月高値2170円が控えている。が、訂正高の余地は大!●一方、再生医療のセルシード(7776)は急反落した。が、バイオベンチャー株は乱高下を避けることができないと鷹揚に構えたい。ただし、目先投資の場合は、2月安値1470円を割り込むとなると、調整が長引く可能性があり処分したい。1500円前後では株価に敏感でありたい、といっても、相場は始まったばかり。臨床試験には長い時間が必要だ。同様に、株式投資もある時点では、待つことが必要。チャートは煮詰まるのか、上値追に勢いが付くのかどうかを待ちたい。●タムロン(7740)は1948円と急騰し2000円を意識したところで失速した。日経朝刊に交換レンズの高シェア企業として紹介されたことが手掛かり。飛びつき買いを振るった後の相場が期待される。●戸田工(4100)も当欄注目株。依然、26週、52週線沿いの上昇基調にあり、09年10月、今年1月高値を獲りにいく相場が続いている。きょうは大幅高した!東北大学院などと共同で、世界で初めてレアアースを使用しない磁石(強磁性窒化鉄)粉末を大量に合成する技術を開発したと発表したことがきっかけだ。ただ、地道に下値を切り上げるチャートからは、上昇基調に弾みをもたらす材料と期待したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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