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2011/08/08

◆8月第2週初め、日経平均は前週末比202円安の9097円と大幅続落。終値は3月18日以来の安値だった。前週末の欧州市場ではイタリアの債務懸念など債務問題解消が見えないなか株価が下落。米国市場では、7月雇用統計で非農業者部門雇用数が予想以上に増加し、失業率も9.1%と0.1%低下したことからNYダウは反発。しかし、引け後、米格付け会社S&Pが、「議会で合意した歳出削減策では過去最大の財政赤字に対する削減幅として不十分だ」と指摘、長期債格付けを初めて「AAA」から「AA+」に1段階引き下げ、見通しについても「ネガティブ」を据え置いた。週明けのアジア市場では、米国景気への懸念が広がり、売りが売りを呼ぶ展開となり、東京市場だけでなく主要市場はそろって1〜3%台の大幅続落で終った。円は対ドルで77円台後半に上昇。前週の政府・日銀による「円売りドル買い介入」効果は数日足らずで消えた?

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◆日本株の売買シェアの6〜7割を海外投資家が占めるが、自国の株価暴落は利の乗った日本株売りにつながりやすくなる。先に指摘したようにNYダウは、7月21日に7日の直前高値1万2753ドルにあと2ドルと迫ったがあえなく失速。逆に、8月2日には6月15日の直近安値1万1862ドルにあと3ドルと迫った。が、今度は、踏みとどまることが出来ず、翌3日にこれを割り込み、前週末5日には1万1139ドルと昨年12月1日以来の安値を記録した。欧州債務問題は付きまとい、米国では債務問題、格下げなどが売り材料となっている。 しかし、米政府がとれる金融政策は限定的であり、金融緩和策が採りにくくなっていることが、金融緩和を背景に攻め上がってきた投資ファンドなど投資家の手足を縛りつつある。が、NY株が前週、200日移動平均線と同時に50週線を割り込んだのは、債務問題以上に米景気が急速に鈍化したことであろう。中国、ブラジルなど新興国景気も金融引き締めなどで減速しているとあって、米国の財政赤字削減の実施は、先行きの景気押し下げ要因となるとの見方が広がったことが相場を押し下げた。実際に、計画通り各種臨時減税措置の打ち切り実施となれば、経済成長押し下げ効果となり、株価と景気実勢は下がっていく?

◆さて、「買い」といえない状況だ。が、日経平均は9000円を割り込み、3月安値を見にいくのかどうかは、海外投資家次第とは上記の通り。内需関連の一角から銘柄ピックアップを続けるべきか。●きょう、8月に入り3度目の年初来高値を更新したのはメッセージ(2400)。この日引け後に発表した11年4−6月期(第1四半期)連結決算は前年同期比9%増収、21%営業・経常利益増と好調だった。ただ、上期経常利益予想は、前年同期比14%増の31億円、通期11%増の66億円を据え置いた。ここまで、上げてきたのは、増額修正期待があったと見れば、いったん、利益確定売りとすべきであろう。●サイバー(4751)は下落。200日線にタッチし52週線に接近だが、知友アナリストは「決算の本質を理解している人が少なく株価の変動が大きくなった。株価の弱さであまり本質的な議論が出てこないが、アメーバのページビューは絶好調。前年同期比の伸びが高いだけでなく、伸び率が依然高まっていることがポイント」と指摘。投げ一巡後の戻りは意外と早やいのではないかという。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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