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2010/05/12

◆日経平均は前日比17円安の1万394円と小幅続落したもののTOPIXはトヨタ(7203)など自動車株や内需株の堅調を背景に0.73ポイント高の932.83とわずかだが反発した。11日の海外市場では、欧州の融資制度創設合意も、当事国の厳しい緊縮政策抜きに財政赤字縮小が進むかどうか疑問視され、ユーロが対ドル、円で下落した。10日に欧州政策当局が合意した最大で7500億ユーロ(約90兆円)の融資制度創設は、ギリシャの総債務残高約3000億ユーロに対し本格的な救済策と思える。しかし、金融市場では不安感が薄れないという。しかし、ギリシャ一国の問題にとどまっている限り、東京市場への影響は限定的であろう。

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◆米・英・独の財政もまた改善が急務といわれている。では、日本は?IMFによれば、2014年に日本の一般政府債務残高に対するGDP比率は245.6%に達するという。米国の108.2%のみならずイタリアでも128.5%というから、日本の数値はべらぼーというほかない。おまけに鳩山民主党政権の票ほしさゆえのバラマキ政治は、税収30兆円程度に対し予算規模は90兆円台とこれまたべらぼーな振る舞い。今は、国民の預貯金が国債購入の原資となっているが、財政の脆弱性がIMFから指摘されても仕方がないレベルであることに違いはない。日本郵政の貯金限度額引き上げが政府の隠し資金つくりとか国債引き受け額を膨らますためといわれるのは当然か。いつ、海外勢により日本が積み木崩しの戦場となってしまうかは不明だが・・?

◆総論はともかく、個別銘柄のピックアップに当欄も四苦八苦の状態!?ということは、力を抜いて向かえということであろう。もちろん、注目セクター、銘柄はある。が、今、目の前にあるのは、4月高値の調整相場。きょう、内需株がTOPIX業種別値上がり率で目立ったのは、出遅れ感を主因として調整場面で浮上したものといえる。もっとも、長年株式相場に関わってこれたのは、一瞬先は闇ではある。が、光でもあること。前日までの絶望感は一転、喜色満面の顔に変わる。そして、その逆もまた嫌になるほどみてきた。

◆前号で記した雪国まいたけ(1378)は7日安値から4日目、そろそろ売りが出てきても不思議ない。できるならば、上ヒゲが長く実線の小さな週足は回避し、美しい上昇基調を描き続けて欲しいもの。もっとも、13週線まで急反落しても、突っ込み買いチャンスと見るべきであろう。今11年3月期は前期比15%増収、30%経常増益見通しだ。同社が2ケタ増収となるのは、99年3月期以来のことであり、経常利益の最高更新もまた同期以来12期ぶりのことだ。いわば、会社は様変わりの成長期を再び迎えたのだといえる。株価は、あたらしい基準で買われていくとみている。

◆もうひとつ内需株、ショーボンドHD(1414)は大幅反発し4月26日の年初来高値を更新した。11日に今10年6月期連結業績予想の3度目の増額修正を発表したことを好感した買いが広がったのだ。経常利益は従来予想を10億円増額し前期比52%増の73億円に。主力の補修工事受注は第1次補正予算の執行遅れの影響もほとんど無く伸張。耐震工事材料の販売も好調に推移している。予想1株利益は145.4円。1900円でも予想PERは13倍台にとどまり、割安感は強い!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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