2007/06/05
◆日中台香韓の東アジア5主要市場はそろって上昇。日本では、ジャスダック平均だけが利益確定売りに11日ぶり小反落となったが、日経平均が2月27日以来3カ月ぶりに1万8000円台を回復。5月月足陽線の力強さが6月相場で鮮明化している格好。中国は、政府の口先介入による急反落が適当なガス抜きとなれば相場の長期上昇基調に変化はない。しかし、2月末からの急反落場面がそうだったように、上昇局面で、急落場面を拾えば儲かる、と投資家が思い始めると、口先介入は意味をなさなくなり、次は、別の相場冷却法が飛び出すことになりそうだ。本欄では、米国株も同様な急落シーン含みの最高値更新相場だとみている。一方、東京市場だが、デイリーでは米中相場に振り回されている格好だが、根っこは強いと見ている。<景気・企業業績がよくて、地球環境問題がこれからますます重い課題となっていくことや、M&A発生件数がどんどん増えていくこと、「貯蓄から投資へ」の流れは着実に大きくなっていくと思われる>からだ。6日からはドイツ、ハイリンゲンダム・サミットが開催され、地球環境問題(気候変動・エネルギー効率化問題)が最大の話題となる。各国エゴのぶつかりあいのなか、2012年期限切れとなる「京都議定書」に代わる「ポスト議定書」策定がここからの課題となる。原発関連株など「材料株物色機運が高まっている」なか、乱高下場面も見られそうだ。
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◆今週末8日は、先物・オプションのSQ(特別清算日)。2000年代前半にかけてのデフレ期には6月第2週末を通り過ぎた後、夏相場スタートというわけに行かず、よく失速したものだが、今年はどうか(といっても、これまでと同様に、先細りになるとはみていない。つまり、上げ下げしつつ中長期上昇基調は続くと見ている)。
◆木村化工機(6378)といえば、原発関連の思惑材料株としてもっぱら話題を提供してきた。つまり、話題を集め急騰相場を演じるが、中身は空っぽというのがほとんどだった。収益には何の好変化も現れず低空飛行が続いてきた。今回は、予定していた前期末の1株2.5円配当を取りやめ無配とした。過去に取り崩した内部留保を充実させることを優先したからという。業績が悪化したからではなく、むしろ急好転したことが背景となっている。前3月期連結決算は12%増収、7.2倍経常利益で着地したうえ、今08年3月期も前期比24%増収、3.2倍経常増益見通しと大幅続伸見通しとなった。もっとも、伸びたのは原発関連ではなく、液晶関連の大型受注や太陽電池設備の初受注などが寄与したもの。原発関連は前期受注がほぼ半減となり、売上構成比は5.7%と大幅に低下。内外での受注確定までには時間がかかるという。しかし、市場は、他部門が好調ななか、原発市場ピークが予想される2010年台央をむかえればよいといった構え。信用規制は強化されており、腕力相場入り。
◆不動テトラ(1813)が240円高値引けで5月28日の年初来高値235円を更新。信用取組1.25倍(5月25日現在)とはいえ、粘り腰が付き始めたようだ。引き続き動向を注目。今年1月に国際部を発足させ米・アジアなど新興国での展開を図るとする。既に新興国は競争力強化に向けた各種投資を活発化させており、港湾インフラ整備などにチャンスを求める。