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2008/09/04

◆試練の時。4日、アジア株式市場に続き欧米市場も急落している。日経平均株価は3月安値1万1691円を試す動きに入った。昨年6月20日に1万8297円の二番天井をつけた後、上値が切り下がる展開となってきた。が、4日には、ドルベースの日経平均が116.25ドルとなり05年10月28日以来2年10カ月ぶり安値となった。市場をリードする外国人にとっては既に、年初来安値を切っており、日本株投資に含み損が発生していることになる。それでも、25日移動平均の騰落レシオは70.81%と通常の底値圏に到達したばかりの水準であり、下げ余地を大いに残している。見切り売りなどが急増したことで出来高は21.33億株と8月11日以来の20億株台回復となったが、セイリング・クライマックスといえる水準には届かない。30億株近い出来高、3兆円近い売買代金を伴った、1000円前後の暴落で初めて、相場の分岐点、反騰局面接近を唱えることが出来ると考えていえよう・・。

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◆大和証券が4日に発表した今08年度企業業績見通し(金融を除く主要300社)によれば、経常利益は前年度比7.3%減と前回(6月)予想の4.3%減益からマイナス幅が拡大した。欧米など先進国の需要減退が主因。株価バックアップ要因ではなく足を引っ張る格好だ。そして、来09年度経常利益は15.4%増益に転じる見通しとした。「円相場や原材料価格の上昇一服による収益環境の好転が背景」となっている。もっとも、電力・ガスの値上げが利益を押し上げるとあっては、今期の落ち込みに対した反動増であって、手放しで2ケタ増益を期待できる状況にはない。ちなみに、来期の前提条件は、為替が1ドル=105円(今期は104.9円)、原油価格(運賃・保険料込みのCIF)は1バレル=120ドル(同125ドル)。

◆ここは、「リバウンド狙いの買い」を入れるタイミングを計る以前に、底入れ確認までを待つべきか。当欄はこれまで、「不人気の好業績、割安、好材料、好チャート株」狙いを主として紹介してきた。が、全般急落のなかでは、「割高」と見られる可能性が大だ。が、それでも、ディフェンシブ・ストックの薬品株の一角、「漢方製剤」のツムラ(4540)、「再生医療」の科研薬(4521)に加え、「貼付薬」で収益拡大続く久光薬(4530)、「感染症」に強い塩野義(4507)、抗インフルエンザ薬の中外薬(4519)などは引き続き、波乱期にも押し目を買える銘柄群といえよう。

◆ビジネスフォーム最上位のトッパンフォームズ(7862)が、1387円まで買われ、1日に付けた1350円の年初来高値を更新した。13週線沿いの上昇基調が続く業績堅調な割安株としてここから押し目買いしたい。4〜6月期(1Q)連結経常利益は前年同期比23%増、中間期計画に対する進捗率は56%と堅調だった。通期経常利益は前期比8%増の175億円。予想1株益89.6円に対するPERは15.3倍と割安感が強い。7月第4週には26週移動平均線が52週線を上抜くゴールデンクロスを示現しており、その後、上昇基調を鮮明化させている。

◆主力株で当欄注目のNTT(9432)は、3月安値40.7万円で底入れし、反転上昇途上にある。全般暴落シーンでは50万円割れ圏から買い場を探したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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