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2007/06/04

◆朝高から1万8000円台を回復した日経平均株価だが、中国市場の開場後に上げ幅を縮小。小幅高で終った。もっとも、この日、中国市場は大幅安したものの、アジア・太平洋の開場主要16市場中下げたのは、中国のほかはインド、ベトナム、スリランカ、結局、星取表は12勝4敗1休場と堅調だった。海運株、鉄鋼株で年初来高値更新が相次ぎ、東証1部市場の値上がり率ランキング上位には、ストップ高となり4ケタ乗せを達成した「新日鉄群団」の新和海(9110)など中小海運株がズラリと並んだ。海運市況の好調を背景に、海運株、造船株、鉄鋼株などは長期上昇基調を継続してきた。新日鉄(5401)はこの日901円に買われついに3月高値900円を1円だが更新した。テクニカル面からは、やや危機感を持った終りになった。本欄は、中国リスクは、基本的には共産党政権リスクとの見方をとる。中国動向が業績面を左右する鉄鋼株、海運株だけに不安感がないといえば嘘になる。しかし、08年北京オリンピック、10年上海万博が控えている中国が、プーチン・ロシア以上に凶暴・脅威になるとは考えられず、ここまで急騰してきた反動安、ガス抜きが一巡すれば、またぞろ上値を追い始めるとみているが、さてどうか。

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◆5月末に記した通り、日経平均の5月月足を見れば、先高期待感に励まされる。個別銘柄もしくはセクターによって強弱感は違うが、「短・中期的な全般急落場面はあっても不思議ない。しかし、日本株の上昇基調は簡単には終らない」と本欄は「強気」を継続している。<全面高ではなく、部分物色が続く間は、相場は強い>との見立てだ。

◆先週からストップ高が続出し値上がりランキング上位を独占した海運株は郵船(9101)で今期予想PERは17倍台であり、商船三井(9104)は16倍台、新和海は14倍台に過ぎない。これは新日鉄が今もPER17倍台にあり、大平金(5541)が12倍であると同様に、<収益が「市況」に左右される面が大きく、実力以上の収益を上げているとみなされている>からだ。しかし、直近は、昔と比べ高PERに買われている。それは、<単に市況の恩恵を得ているだけでなく、企業が市況に左右されにくい独自の競争力を身につけるべく戦ってきた結果、収益が拡大している>ことを評価したからだ。

◆新興国では競争力強化に向けた各種投資が積極化している。港湾、空港、鉄道、高速道路など社会インフラ整備は急であり、関連銘柄を狙う動きが強まっている。不動テトラ(1813)は3月から筆者の先輩が会社訪問をしては強気をぶってきたが、本欄では紹介しきれなかった。同社の得意は地盤改良と土木。港湾整備には不可欠だ。加えて、信用需給は依然1.24倍とひっ迫している。■ならば、各国の交通インフラ整備と炭酸ガス排出がわずかな鉄道が見直され、鉄道車両の海外輸出関連株がもっと注目されてよい。直近26週線沿いに上昇基調が続く川重(7012)、昨年5月以降上値の重い展開ながら450円台で止まり反騰の機をうかがう近畿車輛(7122)に注目したい。

◆5月31日号紹介の日カーボン(5302)が活況裏に一気に人気化、96年4月以来の高値となった。上値の重しがついに取れたようだ。●新たに注目は!建機・鋳造製品が好調で、800円台回復挑戦のPER11倍台・シンニッタン(6319)。●PER11倍で26週線沿いの上昇基調が続くニッチツ(7021・東2)の2銘柄だ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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