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2008/10/28

◆日経平均株価が5日ぶりに大幅反騰した。東証1部市場出来高は31.6億株と前日の30.9億株を上回り、2日間で62億株を超えた。「安値圏で大商いの反騰」はマーケットにとって「良い知らせ」だ。朝方は、NYダウの急続落と円高、そして、前日にバブル後最安値を更新したこともあり売りが先行、外資系証券の寄り前注文は市場推定で差し引き3230万株の売り越しに拡大し5日連続の売り超となった。ただ、一時6994円まで下落、1982年10月6日以来26年ぶり7000円割れとなったことで、売り空き気分や下値警戒感が強まった。また、円相場も大幅円安に転じたことも輸出株などの買い戻しにつながり、459円(6.41%)高の7621円とほぼ高値圏での大引けとなった。円安はNY時間に移っても続き、1ドル97円水準目前まで進んでいる!アジア太平洋市場星取表は8勝6敗1停止で、日本株及び日本株との感応度が高い香港など東アジア5市場はそろって右肩上がりの上昇となった。

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◆基本的には、前号で記したように、「03年4月安値を更新したことで、<89年大納会につけた過去最高値3万8957円(終値では3万8915円)からの超長期の下降トレンドは続いている>ことになった」。それでも、悲観人気の裏返しはある。出来高が2日間で60億株を超えたエネルギーで上げに転じたことは、「6月の戻り高値1万4601円から(でも)きょう(27日)の安値7141円まで7460円、51.1%の大幅下落、半値以下の水準だ。ここまで下がれば、ちょっとしたなにかがあれば、日経平均株価は1000〜3000円前後は無理なく戻るだろう」の前日の見方を採れとうながしているとみてよい。25日移動平均線は100円強ずつ低下しており、28日現在で9834円にある。今週末には9500円割れ前後となるが25日線を上抜くかが目先リバウンドのポイントになりそうだ。

◆先に、短期反騰相場に転じた時は、今回の世界同時株安の震源地となった金融株、不動産株、損保株などよく下げた銘柄が先頭に立つ、と見立てしたが、この日、見立て違いとなったのは、不動産株。三井不(8801)、菱地所(8802)、住友不(8830)のトップ3が揃って一時ストップ安となりTOPIX業種別値下り率12%超で断トツの下げとなったのだ。銀行株も2%の下落で、証券株、保険株も下げた。リバウンド局面ながら、今回の世界金融危機の主役組である金融関連株、及び、その金融機関からの貸し出しが滞る懸念があることを嫌った売りが優勢となっている不動産株がそろって売り先行となったものだ。もっとも、これらきょう腰が引けた組は、全般反動高局面が勢い付いたとき、出遅れを理由とした買いが広がることになりそうだ。

◆もっとも、「長期狙いの買い」は1カ月前後先の、二番底確認後がよい。ここは、主力株を中心に短期の戻りを狙うところ。●東京エレク(8035)は95年6月以来13年ぶり安値2375円まで下落した後、急反転した。3000円台央へのリバウンドが狙えよう。●この日545円のストップ高引けとなった原子力関連株の雄・日本製鋼(5631)は、日経平均年初来高値6月6日と同日の高値2425円から今朝の安値448円まで下落。理想買いの大天井は打ったものの、空白ゾーンでの急反騰が期待される。●セブン銀(8410・ジャス)は今朝75日線目前から切り返した。直近、上値がちょっぴり下がっているのが気がかりだが、29.6万円超えから一段高を狙う。●クリスマス・プレゼント狙いのプリマハム(2281)も押し目を拾っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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