2007/01/24
◆新日鉄(5401)は連日で高値を更新した後、反落に転じたが、もう一方の旗手トヨタ自(7203)は過去最高値更新後、高値圏で終った。東証1部出来高は実質ほぼ1年ぶり最高の26.7億株となり、売買代金3.1兆円はほぼ半年振りにぎやかだった。しかし、市場に少々の高値警戒感が広がったとしても、騒ぎあわてる必要はないだろう。世界各国の主要指数が相次ぎ過去最高を更新するなか、日本は周回遅れとでも言える、わずか1年前の日経平均株価やTOPIXの高値を突破できる水準に戻してきたにすぎないからだ。もっとも、「世界各国通貨比円安の進行は日本が弱くなった結果を反映したもの。庶民感覚ではほぼゼロに等しい金利水準でもたち上がらない日本の景気。回復しつつあるものの依然低水準なままの企業の利益率・・から見て海外に何周も追い抜かれている日本には妥当な株価水準」と筆者の口うるさい先輩はいう・・。筆者は「欠ければ、満つる」とだけいって、口を閉じた。
PR : 誰よりも早く!業界初の「分足テクニカル・スクリーニング」。
◆さて、トヨタ自が最高値更新とくれば、国内自動車部品最大手のデンソー(6902)が次に来るであろう。{もちろん、今月になって紹介した、豊田創業本家で、ある意味「豊田の財産管理会社」である豊田織機(6201)は、更なる上値での過去最高値更新が期待できる}。デンソーの場合は、日本、欧州そして北米での自動車に対する環境規制強化に絡む対応策が模索され続けるなかで、中期成長力は大きい。2年ほど前にイビデン(4062)とともに「次の中期成長期待銘柄」として本欄に紹介した銘柄だが、テクニカル面も昨年6月安値以降、12カ月移動平均線上に下値を切り上げており、きょうは一時昨年4月の上場来高値4890円まであと70円に迫った。強気で攻めたい。
◆先に、兼松(8020)を先鋒として三菱グループの見直しが始まるとし、グループ各社に注目すべきとした。が、5月からの海外企業による三角合併の解禁後に、最大注目すべきは、(逆説的だが)日立&そのグループかもしれない。本欄は、先に、「日立は方向性がまるで定まっていないといってよい状況にあるが、東芝(6502)は事業の選択と集中が進んでいる」として、東芝を買い推奨している。しかし、日立の場合は、そのことがかえって、M&Aを仕掛ける側には魅力的なのかもしれない。筆者は原発関連では東芝プラシス(1983)を買い注目株としているが、M&Aの観点からはプラテク(1970)はもっと注目されてもよいのかもしれない。
◆「政府が、バイオ燃料の普及を促す新法を制定する検討に入った」と一部で報じられ、砂糖株が物色された。なかで、サトウキビなど穀物からのエタノール抽出に絡み注目されるのは、日甜菜糖(2108)か。同社が北海道大学と共同で甜菜を活用したエタノールの抽出方法を開発中ということがポイント。昨年1年間調整が続いたが、24カ月線にタッチした11月以降、下値が切り上がり、三角保ち合いを上放れる構えとなってきた。なお、チャートが日甜菜糖と同様なのが前号紹介で株式含み益の大なる日清紡(3105)だ。