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2007/02/06

◆ガス・電力株の好人気が続いている。「配当利回りが高いとされる業種・銘柄が大幅高した」とのコメントがある。「ガス・電力株は安定性、流動性をあわせもっている」という。ただ、<買えば株価は上がる、株価が上がれば利回りは低下する>。東電(9501)の配当利回りはきょう現在1.34%、東ガス(9531)は1.08%だ。東電は03年6月に中期線の26週線が長期線の52週線を下から上抜くゴールデンクロス(GC)を示現。それ以降52週線を下値支持線とした上昇基調を継続中だ。現在の預・貯金金利と比較すれば両社とも配当利回りは高い。しかし、預金金利は剥落がない。一方、東電、東ガスは株価下落リスクがある。しかも、東電は1月第4週から3週連続で長大陽線となっており、きょうの急騰で、93年4月の戻り高値4405円を一気に突破、90年6月以来の4500円タッチを果たした。東電がGCした03年6月の株価は現在のほぼ半分の2300円台であり、単純に配当利回りを換算すれば2.6%弱だ。ここから、ガス・電力株を配当利回りで買うなら、それはどうか、と首をかしげる。むしろ、「右肩上がりで値動きのよい、大型主力株だから東電、東ガスを買う」といったほうがすっきりするのではないか。■前日、電力株が下げたのは、クレディ・スイス証券のアナリストが、電力セクターの投資判断を「オーバーウェイト」(市場のベンチマークを上回ると予想される)から「マーケットウェイト」(市場のベンチマークと同等のパフォーマンスが予想される)に引き下げ、九電(9508)、北陸電(9505)、関電(9503)、中部電(9502)の投資判断を「アウトパフォーム」(強気)から「中立」に引き下げたことが背景。きょうは、前日の下げをあっさり埋め、いずれも昨年来高値を更新したのだから相場は強いとしか言いようはないのだが・・。しかも、本欄は1月31日号で、<「1月相場が終った。今月は日経平均株価は終値こそ昨年4月高値を更新できなかったものの、取引時間中の高値は更新した。そして、月足は十字にも見える下ヒゲの長い陽線となった。「株価は12カ月移動平均線に下支えされ、昨年来高値を更新し一段高に挑戦する」とのメッセージを伝えている。また、TOPIXは昨年4月高値に届かなかったものの、6月以降、着実な上昇基調にある。>としている。つまり、「電力株もまた、押せば買える」。が、切り口が少なすぎるから、買い推奨しきれないまま、新日鉄(5401)、トヨタ自(7203)を市場体温計としてここまで来た。■同じ、1月31日号には、「商社では三菱系の兼松(8020)を先頭に、西華産業(8061)、明和産業(8103)、東京産業(8070)など非大手を選別して拾っていきたい。三菱系商社が統合に向かうかは不明だが、夢見ることは可能だ」と紹介した。ガス・電力と比較すれば、安定性・流動性とも乏しいが、●西華産は3日連続で昨年来高値を更新し、97年8月以来9年半ぶり高値に買われている。●明和産はこの日、昨年5月中旬以来の200日線プラスかい離を回復し、新たな一歩を踏み出した?もちろん、両社とも連結経常益が連続2ケタ増益と業容拡大が続いている。●12年ぶり固定電話増収が見えてきたNTT(9432)を上放れ開始前夜とみて買い推奨!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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