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2008/12/12

◆12日の東京株式市場で、日経平均株価は5日ぶりに急反落。484円68銭安の8235円87銭引けとなった。11日の米国株が急落したうえ、円高ドル安となったことから売り先行で始まり、午後には米上院に託された自動車業界救済法案が協議決裂と伝わり、下げ幅を拡大した。そして、アジア株は日本を含む5市場そろって3〜5%台の大幅安となった。値下がり銘柄数は1408、約82%が下げた。

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◆週明けは、12日の米国株の結果と寄り付き前に発表される日銀短観が注目点。短観では企業の業況判断DIが想定内に収まるか一段と下ぶれるか、業種別業況判断がどうだったかが株価に反映されよう。もっとも、米上院で救済法案が廃棄されても、ポールソン財務長官あるいはFRBから自動車大手に対するつなぎの緊急融資の線がなくなったわけではない。弱気一方に傾くのはもう少し米国株市場の反応などを見てからでもよい。

◆もっとも、米ビッグ3に対する当欄の見方は当欄11月21日号を参照してほしい。「地獄の黙示録」のフランシス・F・コッポラ監督が1988年に制作した映画「タッカー」を参考にしたものだ。ビッグ3は作れば売れるガソリン大食いの大箱車を生産し続けた。そして、後を追いかける第4のメーカーは政治力などを使って潰してきた。日本車の優位時代を呼び込んだのは(彼らが)環境問題に対して後ろ向きだったからだ。すっかりほころびたアメ車が魅力を取り戻し、業績が急回復するかは、資金繰りに苦しむ彼らに緊急融資してしのいでいくこととは無縁であろう。下手すれば、アメ車買い奨励、(米工場製造を含む)日本車排斥につながる可能性もあることに留意したい。

◆前号で紹介の国際石開帝石(1605)は、11日のNY原油価格がサウジの減産表明を好感した10%超の大幅続伸を背景に6連騰。後場は利益確定売りもあって上げ幅を縮小したが、前場前半には7万1000円高の71万2000円まで買われ、二番底を確認。75日線にも急接近した。ただ、米自動車救済に向かって何らかの方向が見えなければ、原油価格の上昇は限定的となり、75日線が上値ネックラインとなる可能性がある。

◆ソフト開発のACCESS(4813)が急落相場のなか逆行高。一時2万円高の16万8600円ストップ高に買われた。11日発表の09年1月期第3四半期累計連結決算で、営業損失が前年同期比大幅に縮小したことが手がかり材料。日興CG証券が「今09年1月期通期業績は会社利益計画を上回る可能性が高い」と評価したことも買いを後押しした。テクニカル面は「変化の始まり」を示唆する格好となりつつある。同社株は「06年2月、ライブドアショックの翌月に株式分割落ちした後、ほぼ一本調子の下げで10月28日には上場来最安値9万3000円まで下落」。<きょうの高値で11月11日に付けた上場来安値後の戻り高値15万7000円を突破し、11月20日安値11万円を二番底としたW底を確認>した。75日移動平均線を突破した。ただ、終値で16万5100円の26週線を上回れなかった。ウォッチングを続けたい。打診買いは可とみる。

◆吉野家HD(9861)も13週線と26週線の間で終ったが、きょう25日移動平均線が75日線を上抜くゴールデンクロスを示現した。短期的な上昇基調を示唆したもので、既に、長期下落基調は終焉したとみて、10万円割れ場面では押し目買いで対応したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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