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2015/10/09

◆日経平均株価は大幅反発し、前日比297円50銭(1.64%)高の1万8438円67銭と高値引けとなり9月9日以来1ヵ月ぶりの水準を回復した。8日のNYダウなど米国株5連騰となり1万7000ドルを回復し、8日に長期休暇明けとなった中国市場もこの日続伸と好調推移となったことも投資家心理を改善した格好で、円が対ドルで3日ぶりに反落展開となったことも買いを誘った。FOMC(9月16−17日開催)が8日に公表した議事録では、利上げ見送りは、主として中国発の経済成長、インフレリスクの高まりを挙げており、なお、年内の利上意向を表明していた。 日経指数寄与率トップのファーストリテイリング(9983)が4740円(9.8%)安の4万3900円と足を引っ張った格好となった。が、上昇銘柄数は1618と下落の235を大幅に超過した。日経平均指数採用銘柄では215(95.5%)の銘柄が上昇し9銘柄が下落(1銘柄が変わらず)と後場一段高展開のほぼ全面高商状となった。ファーストリは前日発表の今16年8月期営業利益は前期比22%増の2000億円見通しとしたが、市場予想2318億円に届かなかったとされ、アナリストの目標株価引き下げが続出したことが嫌気されたという。国内・米国苦戦したことから成長速度が低下したとの指摘があり、SMBC日興証券では国内外のユニクロ、グローバルブランドなど全て第4四半期に大苦戦しており前期決算はきわめてネガティブとし、通期でも米国事業は不透明と指摘した。7月に最高値6万1970円を付けた後、6日に5万円台を回復しての2月23日以来となる安値に下げてしまったことで、同社株の動きが日経平均株価の動きを窮屈にさせてしまう場面が出てきそうだ。もっとも、この日、株価指数オプション10月限の特別清算値(SQ)算出が終了したことで、波乱要因イベントを通過したことから、需給面からは安心感が広がったとの指摘もあった。

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◆大林組(1802)が後場上げ幅を拡大し一時8月19日に付けた年初来高値1098円に急接近してきた。9日12時に、「主として国内工事の採算が改善したことに伴い完成工事総利益が増加したことなどから、2015年4-9月期連結経常利益予想は従来の240億円から大幅に増額し前年同期比98%増の440億円になる見通しだ」と大幅増額修正を発表したことが買いを誘っているようだ。なお、通期経常利益予想は従来の560億円(前期は599億円)予想を据え置いた。今週は全般相場が9月末以降の上昇基調を持続したことから、建設の業種別株価指数も前週末比5.85%高と急騰し8月21日以来の高値水準に上昇、一気に長期線の200日線、52週線を回復し、8月2000年代最高値に迫った。

◆マツダ(7261)が大幅高で8連騰となり8月21日以来の高値水準に回復してきた。円が対ドルで3日ぶり小反落推移と追い風となるなか、独フォルクスワーゲン(VW)社製ディーゼル車で排ガス検査不正問題が判明したが、これがマツダにはチャンスとなると見た買いが流入し始めたもよう。9日付け日経新聞電子版では、「VW社の排ガス不正問題による「風評被害」はチャンスに変えられるか」と報じた。同社とVW社のディーゼルエンジンの構造は大きく異なり、排ガスを浄化するのではなく、独自技術を開発し排ガスの汚染物質そのものを減らす一段階上の装置で各国の環境規制をクリアしており、場合によっては逆風を追い風に変えることもできる・・などと伝えた。前週は1759円の年初来安値に下げていたうえ、前日に外資系証券が目標株価3100円とし投資判断「オーバーウェイト」を継続して逆行高していたことも後押ししたようだ。もっとも、2400円台には戻り待ちの売りが待っているようで、調整場面を待ちたい。ならば、ここは、やはりトヨタ(7203)の7500円台固めからの3月最高値挑戦に参戦、1票を投じるべきであろう。また、インド展開積極化のスズキ(7269)も良しとしたい。

◆なお、勝手ながら当欄は前週の全休に加え、今週も7、8日と2日の休ませていただきました。妻の姪甥達2家族一行が韓国・オーストラリアからどっと来日したことから、休暇の大半を一気に使ってしまいました。まだ、姪っ子の一人は残っており、きょうもカメラで妻と出かけ東京を撮りに出かています。久々にわいわいがやがやとにぎやかに愉快な日をすごすことが出来ました。なお、当欄もまた、一層期待に添えるようさらに勤めますので引き続きよろしくお願いいたします。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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