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2010/08/20

◆8月第3週末の東京株式市場で、日経平均株価は前日比183円安の9179円と3日ぶりに急反落し、TOPIXも3日ぶりに急落、ほぼ全面安となった。米景気の後退懸念からNYダウが100ドルを大きく上回る下げとなり、また、円高対策に絡み日銀の追加金融緩和策に絡む観測・憶測が流れるなかも、円は対ドルで小幅ながら3日ぶりに反発し、対ユーロで続伸した。しかも、主要アジア株がそろって急落したことから、輸出関連株、素材・資源関連株、金融・不動産、内需株がそろって下げ、TOPIX業種別株価指数は全33業種が下落した。■19日の米国で発表された2つの経済指標は、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、米フィラデルフィア地区の製造業景況指数は予想に反して低下・・とここもと景況感の悪化を示唆する指標の発表が多くなっていることが懸念される。7月相場でも、発表される景気指標はそれほど良くは無かった。が、発表される4−6月期企業業績の好調をハヤシいかにも楽観主義の米国株式市場らしい反応で株価は上げ、NYダウは1万700ドルに迫る上昇をみた。背景には、景気の後退を阻むために例の無い低金利状態を継続するなかで、あふれた投機・投資資金が流入していることがあるといえよう。

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◆今週は菅首相と小川日銀総裁が円高阻止へ、いつ会合を持つかと市場内外で大騒ぎした。しかし、両者が会って決定的な何かが打ち出される、と思うほうが悪い?先週の段階でそれなりの効果を狙った対応策をタイミングよく発表すれば、内外に余分な思惑を許すことは無かったかもしれない。が、会談や後ずれさせ、タイミングを失してしまえば、じらされて待った分だけ、よほどインパクトの強い政策を示さない限り、市場は「なーんだ」とひとこといった後、声が続かない失望に変わってしまうことになろう。■日経平均の「週末終値」を見ると、きょうの9179円は昨年11月27日に終った週(9076円)以来の安値水準だ。あの時は、翌週から海外勢の連続かつ大量買いで年末に向け急騰していった。が、あの時、下値を支えた52週移動平均線はきょう現在1万円153円と1000円上だ。8月には昨年11月安値を割り込んでおり、9000円とび台を割り込んだとなれば、後は、下値を探る厳しい展開となっても不思議はない。

◆前号紹介のいすゞ(7202)はきょうも堅調だった。いや、きょうのような荒れた相場だから、好チャートの業績好転、低位材料株として人気になっている可能性が高い。再び回復した26週線をあっさり割り込むことがなく、ゆっくりでもいい下値を切り上げるチャートが続くかをウォッチングしたい。●また、後発医薬品関連では日本調剤(3341)が高値波乱となったが、52週線が下支えするかどうかを見守りたい。そして、「52週線に下支えされた」と確信できた後、買っていきたい。今だと、3分の1戻しだと3200円の手前から26週線が目標株価となるが・・。●高値から大幅に下げたなかでは後発(ジェネリック)医薬品大手の東和薬品(4553)が先週、今週と52週線を割り込むも何とか踏みとどまっている。引き続き、52週線割れを買って戻りをとる格好になっていくか注目したい。海外から投資・投機資金が入る業界としてジェネリック薬業界が注目されるからだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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