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2007/01/18

◆日銀は追加利下げを見送った。2月の会合までの経済情勢を見極める必要があるとした。12月に続く見送りだ。見送りに至る過程に少々問題があったが、結果は市場を大きく左右するには至らなかった。見送られたといってこの日売られた銀行株が売られ続けることはなく、一方、金利上昇に伴う債務負担増懸念が後退したといって買われた(有利子負債の過大な)不動産株や(消費者金融株などの)ノンバンク株がそれだけの理由で明日も買われことにはならない。つまり、今回の場合、「追加利下げをした、しない」が直接的に市場に大きなサプライズにはらないといえる。きょうのうちに「追加利下げ見送り」は株価にほぼ織り込んだと見たほうが良い。■例えば、不動産株ならば、3月に発表される公示地価(の上昇)や各社が取り組もうとしているビッグプロジェクトをプラスにとらえる一方、先行き小刻みな利上げが続くことや金融庁が(日興コーディアル証券が躓いた)SPC(特定目的会社)利用に絡み不動産ファンドなどにメスを入れるなど不動産業界へ締め付けを強化しようとしているリスクとのどちらを市場は重要視しているかを見る必要がある。中期注目株はNTT都市開発(8933)。

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◆新興3市場の動きに弾みがついてきた。失望感が広がりつつあった楽天(4755・ジャス)はこの日5000円高の6.26万円ストップ高に買われ、なお、ストップ高で買い物1.66万株を残した。日経金融新聞が、「TBS(9401)が持つ楽天の保有する19%超の株式を、TOB(株式公開買い付け)による買い取りを検討し始めた」と報じたことが買い手がかりとなったのだ。「こう着状態が続いてきたが、楽天には300億円を超える売却益が発生する」という。つれて、ソフトバンク(9984)などネット関連株に物色人気が拡大し、新興市場人気に火がついた。●前号紹介のACCESS(4813・マザ)も一時10万円高の61.8万円ストップ高に買われる場面があった。そして第1のネックラインに突入した。●こうなれば、本欄大化け期待銘柄で自社生産も手がける半導体商社のイノテック(9880・ジャス)は好業績・割安株として物色人気を集めそうだ。あわてる必要はないが、200日線に接近のここから拾いたい。

◆前号でモルガン・スタンレー証券が16日付けで作成した「構造変化する建設業界」レポートのことを少し紹介したが、なかでマンション建設で業界最大手の長谷工(1808)はPER割安の好業績・好チャート株として株価妙味が大だ。筆者は、<その企業イメージは良くない>、と思っている会社だが、株価は今後大いににぎわいそうだ。この日、473円まで買われ、昨年1月高値485円抜けから、99年7月以来の500円台乗せから一段上の相場を目指すことになりそうだ。

◆本欄なじみの新日鉄(5401)群団が再び人気を集めている。きょうは太平工(1819)と大平金(5541)が急伸し高値を更新した。新日鉄は調整不十分だが下値を切り上げつつあり、群団は新日鉄攻勢への先駆けと見てよい。続くはなべ底を形成し5日に付けた高値500円挑戦が続く新和海運(9110)の出番か!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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