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2010/02/08

◆2月第2週の日経平均は前週末比105円安の9951円と3日続落。昨年12月10日以来2カ月ぶりに1万円台を割った。欧州諸国の財政赤字が経済に重しになるとの懸念に加え、5日発表の米1月雇用統計が市場予想を裏切る非農業部門雇用者数の減少となり、米国債と米ドルが上昇。ユーロは円に対し1年ぶり安値となるなど軟調展開で、市場の円高警戒感は強い。中国の金利上昇懸念・・など悪材料に取り囲まれ、薄商いのなか精密機器、電気機器、輸送用機器など輸出関連株が下げを主導し、商品市況も続落基調とあって、素材・資源株などが下げた。■1月後半から、市場筋推計の「外資系証券朝寄り付き前成行き注文状況」で、売り注文株数が買いを上回る日が多くなっている。きょうは490万株売り越し、2日連続売り越しとなった。出来高の20億株割れは2日以来4日ぶり、売買代金は1兆3000億円を割り込む1月19日以来の低水準で、時価総額は295兆7871億円に。3日連続の大幅減少で10兆円以上が消えた!

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◆世界の金融・資本市場は現在、米国の金融機関規制強化と景気・企業業績、欧州財政問題&ユーロ安、中国金融引き締め懸念など当面の問題に揺さぶられ、日経平均株価は1万円を割り込んでしまった。この日は一時、200日移動平均線にタッチする場面もあった。日本だけで9000円を維持することは難しく、欧米、アジア株と連動した動きが続いている。ただ、現時点では、依然も指摘したように、昨年3月安値7021円を、08年10月安値6994円に対する二番底とした、中期上昇基調にある。もっとも、昨年11月安値9076円(また、同年7月安値9050円)割れとなれば、話は全く違ってくる。中勢上昇基調はいったん消滅し、二番底確認まで、下値を模索することになる。下手に、動くには難しい状況が続く。筆者は「羅針盤はテクニカル」との看板は、下ろしてはいないのだが・・。

◆前週末、唯一紹介の信越ポリマー(7970)は一時32円高があって、22円高の639円引け。ただ、寄り付きが627円とあって、万一、全般の雪崩相場につかまってしまうようだとリスクは大きい。が、08年10月に付けた02年2月以来の安値331円を大底とし12カ月移動平均線、52週線、200日線を下値サポートラインとした上昇基調が崩れない限り、短期的な失速はあっても、先高期待が勝つ相場を期待したい。ロスカット価格を決めた後なら、打診買いはいつでもOKと月足チャートは示唆している。強気を継続していくべきであろう。

◆キリンHD(2503)が106円、7.3%の大幅下げ!前週末に切り返し75日線、26週線を回復したばかりだが、一気に、26週線を割り込み、200日線も割り込んだ。昨年5月下旬以来の200日線割れだ。サントリーHDとの経営統合交渉が8日決裂したのだ。世界一のビール・清涼飲料水企業を目指すとの意欲も、上場企業と創業家が資産管理する非上場会社との様々なシーンでの認識・見解の違いを乗り越えることは出来なかった。キリンは、世界競争時代のなかで、また、新たな提携先を求めることになろうが、統合後の夢をみた投資家は、突然、真冬の雪のなかに放り出された。これで、また、キリンの重い足(チャート)は一段と上値が重くなりそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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