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2012/04/05

◆前号では「欧州では、スペインやイタリア国債の利回りの上昇などから対ユーロで円が続伸。欧州主要国株はそろって下落」と記したが、4日にはそのスペインの国債入札が不調に終ったうえ、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が記者会見で欧州景気に慎重な見通しを示したことから、欧州株が続落。米国では景気敏感セクターから下げ、NYダウは1万3000ドル台を維持したものの100ドルを超える今年2番目の下げとなった。NY原油先物は米国原油在庫量の大幅増加を受け続落。非鉄・貴金属など商品市況も続落したことから、NY株式市場銘柄の4分の3超が下げた。

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◆過剰流動性が背景の世界株式市場、米国の追加金融緩和策は後ずれに。ユーロ圏各国の債務危機対策としてECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)は救済資金を一段と高く積み増し、ファイアーウォールをさらに高くした。しかし、単に壁を高く積み上げただけで時間稼ぎはできても危機回避ができるかどうかは?ギリシャに続きスペイン国債が波頭にたった。そして、ポルトガルの債務不安がいつ噴き出すか、イタリア問題はどうなるのか?・・など、欧州財政危機は依然油断ならぬ状況にあることに変わりはない。

◆さて、日経平均は3月14日に終値で1万円台に乗せたあと4月3日まで1万円台にあった。日銀が予想外の金融緩和策を発表したのが2月14日。3市場投資主体別売買動向を見ると、海外勢が現物と先物合計で買い越しに転じたのは昨年12月最終週で、売り越しに転じたのが3月第3週だ。この間12週間の差し引き合計で2兆3488億円買い越した。個人投資家は逆に「信用プラス現金で差し引き」で、12月第3週から3月12日まで13週連続で売り越しており、その金額は1兆353億円に及ぶ。こちらは、下げれば「買う」勢力と見てよい。「個人投資家は逆張りが基本」といわれるが、この売買動向を見ても納得できる。海外勢が再び「日本株売り円買い」取引を開始し始めるのか?それとも、「円売り日本株買いを継続するのか?」どうか、見誤ることないように注意して相場ウォッチングを続けたい。

◆マクドナルド(2702)は小反落も終値で2200円台を維持。リスクは「円安株高」だ。潮目の変わり目は、強張っていたことが利益確定の売りを誘い、大きく売り込まれた銘柄を買う動きに振れるのが通常パターンだ・・。その時、中期線や長期線が下値サポートラインとなり、下値切り上げパターンが継続していれば、買い銘柄としてウォッチングしていけばいい。マックの場合、2000円台半ばの中・長期線が下値ポイントとなる。●前号紹介のアンリツ(6754)は1000円割れがあるか、最終防御線の52週線はまだ829円水準、200円強下値であり、ここは、昨年11月の高値956円前後(13週線水準)を「買い」の目安としてウォッチングを続けたい。●以前、高速道路などの補修・補強工事増で紹介したショーボンド建(1414)は依然、09年からの「1700円割れ買い、2000円台乗せ売りのパターン」内の相場が続いている。ウォッチングを継続。●ニチイ学館(9792)は昨年3月に上場来安値545円を付けた後、年明け以降、右肩上がりの展開が続いており、ちょっと手を出しにくい格好だが、全般波乱時のチャート模様を見て方向付けができれば、買っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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