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2006/05/31

◆東京の日照時間不足が注目された5月が終った。東京市場は月足長大陰線を引いて終り、4月が宙に浮いた格好となった。(つまり、そっくり上値にしこりを残したということ)。そして、4月7日に付けた1万7563円が、03年5月2日の7603円をバブル崩壊後の大底とする中期上昇第2波動の天井だったことが確認されつつある。■03年5月基点の中期上昇第1波は、04年4月30日の1万2195円で天井を打ち終了。値上がり率は60.4%だった。そして、05年4月22日の1万770円で修正(調整)波動が終了した。第1波天井から1波終了まで調整期間は1年で、下落率は11.7%だった。それに対し、中期第2波動の天井から5月末までに2カ月弱の日柄と下落率11.9%の調整が経過しほぼ同じパターンとなったが、上昇第1波後の調整と違うのは「時間軸が短く、日柄調整が足りないこと」だ。通常調整時の下値関門は現在1万5119円にある200日線となるが、欧米に加え日本・インドなどアジア市場を含めた世界同時株安状況となっており本格調整リスクが高まっている。先行き予断を許さない。■世界資本市場の流れが変わったのは、2月の福井日銀総裁の量的金融緩和策解除発言がきっかけ。それに加え国内では、1月16日夜以降の新興市場を襲った本格的な会計への不信感の広がり、ネット投資家を襲った暴落相場の厳しい洗礼、今3月期企業業績見通しへの警戒感など様々な要因が重なった。●世界の株式市場は4〜5月に天井を打っている、もし半年間程度の調整なら10月の第2四半期決算発表前までとなる。が、中期第3波働への準備期間とするならば、日柄調整の時間はもっとあって良い。

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◆きょう、TOPIX30業種中上昇したのは、水産・農林業1業種のみ。前号で、「スーパーの店頭からノルウェー産のサバが消えイングランド産が並んでいた。資源戦争は石油・鉱物だけでなく大豆や魚などの争奪戦へと拡がっている。日水(1332)以下水産株を業績が好転しているここから注目!」としたが、●きょうはマルハ本社(1334)が17円高の322円まで買われ3日連続で年初来高値を更新。昨年7月の新会社上場後高値338円を突破し一段高に向かう構え。マルハは前3月期経常8%増益に続き今期は前期比37%増と伸長。予想1株利益は18.3円(経常利益の半分で試算した数値は27.4円と高水準)。配当は3円だがPER割安感は強い。●日水は、前期の小幅減益から今3月期4割超の経常増益に転じる見通しで予想1株益は32.5円に対し割安感が強い。しかも、食を巡る世界各国の農業・水産資源獲得競争が激化中。モロッコ産真ダコは乱獲たたり価格上昇。マグロは日本人が刺身にするばかりでなく獲得競争が拡大。人口減少に向かうといわれる日本と違い、13億人といわれる中国の人口はまだまだ増加するといわれる。「しゃぶしゃぶ」が人気なのは日本ばかりではない、中国でも大人気といい、大豆を食料とし得られる牛肉消費量はこれから急ピッチで増えるとい。日本では豆腐原料として大豆が不可欠だが輸入物が97%を占める。海外では大豆油として利用しており、中国では栄養価の高い牛の飼料としてブラジルの大豆生産地でケタ違いの量を獲得し続ける必要がある。●加工食肉大手で牧場経営も手掛ける日本ハム(2282)は1400円台の高値圏突破には時間が必要だが、中期強気を継続したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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