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2009/02/05

◆5日、日経平均株価は反落。前日回復した8000円を割り込んだ。4日のNYダウが朝高の後、決算悪を嫌気され反落し、8000ドルを割り込んで終ったことを受け、売りが先行した。4日のバラ積み船の運賃指標であるバルチック海運指数が大幅高で12連騰したことを手掛かりに海運株が軒並み高となり、鉄鋼株、非鉄、ゴム、商社株など商品市況関連株が追随買いされた。ただ、6日発表の米雇用統計懸念からその後は先物安に失速。大引けにかけ下げ幅を拡大した。

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◆不動産株も上げた。ダヴィンチHD(4314)が500円高の3850円ストップ高に買われ、後、ストップ高買い気配で終り、主力不動産株も堅調だった。5日付の日本経済新聞朝刊が、「公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2010年度から新たに不動産ファンドに投資する方向で検討に入った」と報じたことから、不動産市場への年金資金流入により、市場活性化が期待できるとの思惑が膨らんだ。■しかし、首都圏のマンション専業大手日綜地所(8878)が5日大引け後、東京地裁に会社更生手続き開始の申立てを行い、同日受理されたと発表したことから、厳しい状況は分ってはいたが、あすの市場で、不動産業に対する忌避意識が膨らむ可能性が高そうだ。

◆下げたのは、内需関連株が中心。好業績発表のきのこ大手ホクト(1379)が大幅反落し、一時、1月20日の直近安値2230円に顔合わせしたことで水産・農林業が下げたが、医薬品、食料品、小売が下げ、保険、その他金融、銀行株など金融株が下げた。       ■一方、前日、今09年3月期連結純損益を3800億円の赤字(従来予想は300億円の黒字)に修正したパナソニック(6752)は7円高で終ったが、前場寄り付きは40円高の1132円でこの日の高値だった。前号で記したように、第3四半期決算発表前に、業績大幅悪化を見込んで海外勢などが、主力輸出株など外需株を売る一方、同社株など内需株を買った。そして、外需関連企業の決算は予想通り、大幅赤字への修正や大幅減額修正が相次ぎ、株価は大きく失速した。これを受け、今度は外需株を買い戻す一方、内需株を売る、「リターン・リバーサル」の動きが続いているものだ。

◆先に注目としたイーアクセス(9427)をクレディ・スイス証券が3日付けリポートで、目標株価を5万6000円から6万7500円に、投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」(強気)にそれぞれ引き上げた。1月15日の同社リポートで、「黒字化まであと一歩、投資妙味は高まりつつあるで指摘したとおり、同社業績の負荷となっていた持分法適用子会社イー・モバイルの収支がいよいよ黒字化する見通しだ」と指摘している。そして、「現在年約400億円の営業損失を計上しているが10年3月期の第3四半期に四半期ベースで黒転、EBITDAは営業段階より一足早く期初からほぼ黒字化し、年ベースでは136億円(09年3月期225億円の赤字予想)を計上する見通し」だという。同社株に関する筆者の判断は、テクニカル面からのみとしている。そのテクニカル面は、長期下落基調にあるが、昨年10月の上場来安値後の動きは1月まで3カ月連続月足陽線で、長期上値関門となってきた24カ月移動平均線に迫っている。5万5000円割れの6カ月線、5万300円台の26週線を下値ゾーンとみて買い場を探したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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