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2007/08/15

◆62回目「敗戦記念日」の8月15日、日経平均株価は369円安の1万6475円と大幅続落し、3月5日の年初来安値を更新した。TOPIXは昨年12月以来の1600ポイント割れだ。米国発のサブプライム住宅ローン焦げ付き問題で欧米が激震。玉突き状態で日本・アジア市場を襲っているもの。ただ、日本の金融機関で屋台骨が揺らぐほど貸しこんだところは今のところはなさそうだ。ポイントは、@サブプライム問題が世界市場を決定的な状況まで追い詰める「爆弾」なのか、Aそれとも、NYダウで見られるように、昨年秋に2000年1月のITバブル期に付けた1万1722ドルを更新した後、先月7月19日に1万4000ドルまで大幅に上昇したのだから、中勢相場での調整局面があるのは当然だ。その通常あってもよい調整が、サブプライムショックを引き金とし今行われているだけなのか、どちらなのか?ということ。本欄はAだと見ているのだが、ここまで強気してきた欧米投資家、ファンド主義にとっては厳しい状況であることに間違いない。■三菱UFJFG(8306)が連日で年初来安値を更新している。しかし、株価の下落幅ほどサブプライム評価損は多くはない。15日付の日本経済新聞朝刊など各紙は、「大手銀行は14日、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)関連の損失などを、ホームページなどで相次いで公表した」と報じ、各行とも大きな影響はないとしている。同社の場合、7月末時点で約50億円の評価損であり、きわめて限定的だとしている。ただ、株価が厄介だ。<5月以来、26週移動平均線が上値抵抗ラインとなり、下値が切り下がる展開となっている>ため、見切り売りなどが続いているのだ。長期線では、4月に24カ月線を割り込んだ後、マイナスかい離を拡大しており、ここは、中途半端に買うのではなく、底入れを待たねばならないチャートとなっている!

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◆トヨタ自(7203)は6830円まで叩かれ5日続落し年初来安値を更新。2月の上場来高値8350円から18%下げた。米国消費、景気の落ち込みによる自動車販売への懸念と1ドル=116円台への円高反転による収益の押し下げが嫌気されたもの。8月に入り下げ幅を拡大し、昨年6月以降の相場を下支えしてきた52週線を割り込んだ。●新日鉄(5401)もまた、7月23日につけた89年5月以来の高値964円から軟調展開入り、75日線、26週線とのマイナスかい離を拡大していることは懸念材料。

◆電化(4061)が、2円高の580円小幅ながら4日ぶりに反発。一時588円まであった。全般大幅安の展開のなかでは堅調だ。準大手証券では先週、最上位の投資判断「1」を継続、「08年3月期以降の業績予想を増額。業積面の高い成長性とバリュエーション面における割安感」から、09年3月期予想PER18倍(784円)を目安に「強い買い」を推奨している。25日移動平均線もしくは75日線を下支えに上昇基調にあるチャート面のよさも後押しする。●木村化(6378)が値上がり率トップとなった。全面安商状のなか、きのうまで連日でストップ高に買われた勢いが目先資金の買いを誘った。ただ、トウアバルブ(6466・東2)などが利益確定売りに反落するなか、同社株が思惑買いだけで一本立ちする状況は不幸であることは違いない。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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