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2011/09/28

◆日経平均は前日比5円高の8615円と続伸した。9月配当・権利落ち分70円前後を埋めており、堅調に推移したといえる。27日の海外市場で、ギリシャ懸念が後退したとみた買いが広がり、欧米株がそろって3日続伸した流れを受けて東京市場でも買いが先行した。まず、ギリシャ議会では不動産税導入が承認され、27日にギリシャ債務問題でメルケル・ドイツ首相とパパンドレウ・ギリシャ首相が会談。ドイツでは29日の議会採決で救済基金EFSF拡充法案が成立する見通しにあり、ギリシャ支援策が前進するとの期待が高まった。そして、欧州株が大幅高し、米株は一時大幅高場面があった。ただ、米株は「ユーロ各国がギリシャ国債を保有する民間債権者に対し評価減を求めている」との報道があった後、上げ幅を縮小したものの、主要株価指数は1%超上昇しており、日経平均は小高くスタートし56円高までみた。その後は8600円台前半でもみ合ったが、TOPIX業種別株価指数では、金融・不動産が値上がり上位となり、資源、内需関連が続き、輸出関連は分散。27業種が上げ、6業種が下げた(前日星取表は32勝1敗!)。直近で、売り攻勢をかけてきた投資家の買い戻しや、目先のリバウンド狙いの買いが主力であり、出遅れが許されるほど悠長な相場にはない。

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◆日本の株式相場の羅針盤であるNYダウは、16日終値が8月31日の直前高値1万1613ドルをクリアできないまま下げたものの、(終値ベースで)22日に1万733で下げ止まり、8月10日の直近安値を割り込まなかったことは救い。あとは、16日の戻り高値1万1509ドル、そして、8月31日高値1万1613ドルをクリアして、初めて、NYダウに買いサインが点灯することを頭の片隅に置きたい。それには、ギリシャ債務危機がスペイン、イタリアに拡大せず収束に向かいそうだとの感触や、世界景気は底を打ち先行きが見えつつあるといった心象風景が広がっていくことが必要か。今しばらくは金融・資本市場、商品・為替市場で買い方、売り方の攻防戦が続きそうだ。それまでは、ウォッチングを基本に打診買い程度の参戦とすべきか。なお、超長期で見た場合、日経平均は89年末を大天井とした下落基調の中に今もある。一方、NYダウは07年10月に史上最高値を記録し、今年4月高値1万2810ドルが2番天井となるか、南欧債務問題を乗り越え、世界景気回復を背景に2つの山に挑戦していくことになるのかどうかが注目点と、ベクトルをやや異にする。

◆といっても、超長期の話は直近で大きく下げてきたこの相場で意識する必要はないか。ディフェンシブな内需株なら、鬱陶しい日足・週足移動平均線を「クリアした後」のマクドナルド(2702)や8月末に付けた3月安値を基点にジリジリ下値を切り上げつつある日ハム(2282)に引き続き注目。●また、8月以降の嵐のなかでいったん「利益確定売り」としたメッセージ(2400)も、結局、26週線を下値サポートラインとして踏みとどまっており、なお、ウォッチングしたい。●ウェザニュズ(4825)は26日発表の6−8月期決算悪化で27日大幅安もきょうは一時2400円台を回復。全週足移動平均線へのプラスかい離も回復した。通期業績予想に留意もテクニカル面から「買い」、26週線割れで「見切り売り」として強気を継続したい。●また、データセンター運営のビットアイル(3811)はこの相場でも6週、13週線上の上昇基調にある。その頑強さはやはり注目されてよい!  

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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