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2015/12/01

◆日経平均株価は3日ぶりに急反発し前日比264円93銭(1.34%)高の2万12円40銭と2万円を回復して終了した。去る8月17日の週、欧米株安から日本株も9月年初来安値1万7000円割れに向かう崩落があった8月20日以来の日経平均株価2万円台回復だ。世界市場で自国通貨高を嫌うキャッチボールが続くなか、この日の円は昼時間などに対ドル、ユーロで一時小高くなる場面がみられものの小安い水準での推移となっており、出来高は前日比4.1億株減少も20億株台は維持しており、売買代金も2.4兆円と2兆円台を維持。直近では巡航速度を維持できるボリューム水準での推移となった。

 中国景気への悲観は足元後退しており、為替市場では、昼時間に小幅円高場面があったものの、その後、円安推移となったことも後押しした格好となった。朝方、財務省が発表した法人企業統計で7−9月期の設備投資額が前年同期比11.2%増と2007年第1四半期以来の2ケタの伸びとなったことが設備投資関連のみならず全般相場を押し上げる格好となったようだ。

 機械、電気機器、輸送用機器、ガラス土石など輸出関連、鉄鋼、商社、非鉄金属、株が上げ、前日売られた電気・ガスや証券株も上昇と東証1部の33業種中、倉庫・運輸は0.43%安と4日ぶりに反落した他は、32業種が上昇した。そして、TOPIX(東証株価指数)もまた21.70ポイント(1.37%)高の1601.95と3日ぶりに急反発し1600台を回復した。
 8月〜9月の暴落相場で大量に売り越した海外ヘッジファンドなど海外勢は円安ドル高を背景に現物・先物市場で10月に入り買いに転じ、10月〜11月第3週までで2.4兆円の買い越しとなっている。この日、2万円台乗せに絡むような格別な買い材料があった訳でない。となれば、再び、円売り・日本株買いのポジションが8合目水準に積み上がってきたここからは、「利食い千人力」と捉えて「利益確定売り」は良しとしたい。

 前日急騰を紹介した●アイサンテクノロジー(4667)JQは反動安となった。が、自動運転車関連の軽量株としてウォッチングを続けよう。10月から2ヵ月間での3.66倍化相場とあって、「買い」に出るのは休止状態となった後、気長に動意が見え始める頃まで待つべきか。もっとも、各種自動運転車関連のニュースが飛び出すと一気に同社株も奔騰場面となってしまう。筆者好みのゆっくりとした上昇基調の銘柄と違って、急騰急落展開となることが取り付きにくいものの、引き続き自動運転の実証実験など各種ニュースや同社の動きをウォッチングしていきたい。

 また、昨秋来、一段上の相場展開となってきた筆者20年超の注目株●アリアケジャパン(2815)だが、この日、3日ぶりに急反発し11月18日の権利落ち修正後最高値6150円にあと40円と迫って終了した。いつだって「買いづらい」銘柄だが、「日本の味を決める企業」として全般急落展開時の「突っ込み買い」銘柄としてここからは注目してほしいものだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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