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2011/08/10

◆4日ぶりに反発も円高が響き上値は限定的だった。10日の東京株式市場で、日経平均は前日比94円高の9038円と4日ぶりに反発し、TOPIXは7日ぶりに反発した。きっかけは、やはり米国発のニュース。9日の米国市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)終了後の声明で、「少なくとも2013年半ばまで政策金利を、過去最低を維持する」との方針を示し、経済見通しの下方リスクが増大しているとの認識のもと、異例の超低金利を続けるとしたことが好感されたもの。NYダウは430ドル弱の大幅反発で前日の下げ分のほぼ3分の2を埋め、S&P500種指数は4日ぶりに大幅反発した。ただ、財政出動による景気刺激策を推し進める状況に無く、どこまで景気が浮上するかは不透明。これまでの2次にわたるQE(量的緩和政策)が生んだのはジャブジャブにあふれた投機資金と見れば、8月暴落で失ったものを取り戻すため彼らがどのような動きをするか?目を放すことはできない。

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◆NYダウの今週の週足は8日、9日の2日間では、「年初来安値水準で下ヒゲが長く、陰線幅が小さな」底入れパターン時に現れる型となった。ただ、買い方の巻き返しでどこまで浮上できるのかは不透明だ。急速に鈍化してきた米国景気だが、この後、発表される景気指標を見て市場はどう反応するか注目したい。今週、市場が反応しやすいのは、12日(金)の7月小売売上高、8月ミシガン大学消費者信頼感指数だ。来週は、15日(月)の8月NY連銀製造業景気指数、8月NAHB住宅市場指数、16日には7月鉱工業生産と7月住宅着工件数及び建設許可件数、18日は7月消費者物価指数と8月フィラデルフィア連銀指数と続く。

◆この日、当欄注目株の日マクドナルド(2702)が11年1〜6月期連結決算を発表した。東日本大震災の影響があったものの経常利益は前年同期比1.3%増の144億円と増益を確保した。しかし、通期経常利益は3.8%増の282億円と前期までの連続2ケタ増益から大幅にスローダウンしたことで、引き続き手掛かり難となっている。しかも、今週を含め3週連続で52週移動平均線を割り込み、5月末に戻り高値を付けた後は、上値が切り下がる厳しい展開となっている。9日安値1993円を割り込むとなれば、いったん、現金化すべきか。■貧困国の結核撲滅で国連機関と共同作業しているのは、当欄注目の栄研化(4549)と第2位株主大塚製薬。大塚薬は大塚HD(4578)の中核。大塚HDは9日の2000円割れ場面からきょう急反発した。9日に発表した11年4−6月期連結経常利益が前年同期比31%増と大幅増益だったことから、見直し買いが広がったもの。焦点だった(ポカリスウェットなど機能性飲料を含む)ニュートラシューティカルズ(NC)関連事業の営業利益率は市場期待の10%を上回った。加えて、主力の統合失調症治療薬「アビリファイ」が北米で数量、売上高とも伸ばすなど成長が続いており医療関連事業が好調に推移していることが利益を押し上げた。大手証券ではリポートで、「12年4月の薬価改定は8%を超えることが考えられる。国内市場の冷え込みが見込まれるが、利益獲得に向け海外事業や新薬貢献の重要性が改めて株式市場で認識される」と指摘。先行き、改めて業界内での同社の優位性が評価される!?ウォッチングを開始する。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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