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2007/12/03

◆週明けで始まった12月相場、日経平均株価は3日ぶりに反落した。各国とも前週の急伸を受け高値警戒感が広がった。アジア星取表は7勝7敗とまちまちの動きとなり、欧州、米国とも利益確定売りが先行し軟調展開となった。東京市場では、値上がり銘柄数が958と値下がりの641を上回り、TOPIXは小幅ながら続伸した。また、3新興市場指数も揃って堅調だった。日経平均では、ロシア・下院選で与党が圧勝し、プーチン強権政治が一段と力を得、長期支配で世界が緊張化していく地政学的懸念が強まったことも、投資家心理に冷や水を浴びせた。

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◆一方、中東オイルマネーや中国の巨額の外貨準備金などを背景とした政府系ファンドの欧米、日本への投資は、各国の代表的銘柄や日本の場合だと高技術企業や特許取得企業を含めた買い増大期待感を膨らますことになりそうだ。一方、ロシアのエネルギー政策などによる各種リスクの高まりは、資源・エネルギーを中心とした世界争奪戦拡大リスクの上昇につながり、新年の主要市場テーマとして話題を集める可能性がある。既に、大きな天井をうったのではないかと思われる住友鉱(5713)など非鉄金属セクターやレアメタル関連株、そして、原油から穀物まで国際商品相場は調整期に入ったと思われる。今後は、ロシア、中東を震源地とし舞い上がる火の粉が深刻な懸念材料となる場合も想定する必要がある。

◆ソニー(6758)は先にドバイ政府系ファンドが取得したことを明らかにしたが、ゲーム機の11月統計で、「PS3」の国内販売台数が初めて任天堂(7974)「Wii」を上回ったという報道があった。これを受け高寄りしたが、5100円台の年初来安値圏から一気に6100円まで駆け上がったこと、夏以降の上値関門であった200日移動平均線をちょっぴり上抜いたこともあり、利益確定売りに押された。まだ「ソニーらしい製品」開発には至っていないが、24カ月線が下値をがっちり固めての長期上昇基調を継続している。6000円割れを中期買いする流れが鮮明化しつつあり、これについていくという意味では、ここからの世界株式市場や為替市場の波乱場面は同社株買いの好機とみたい。■昨年2月高値1万890円から2年間の調整のラストシーンを迎えるのは、中国・大気汚染の深刻化問題関連株の日東電工(6988)。今3月期で2期連続経常減益見通しにあるが、喘息問題は深刻であり、同社は5000円台前半への下値確認場面で拾っていきたい。同社は世界で始めて代表的な喘息気管支拡張剤の経皮吸収型テープ製剤を開発。今夏、中国での販売を開始した。1日1回皮膚に張るだけで長時間呼吸機能の改善効果が期待される。将来の喘息の爆発的広がりが懸念される今から、買い場を探したい。●4000円台相場に突入したときの光技術の世界トップ企業・浜松ホトニクス(6965)も、新たな相場水準を求めて上値を探る展開に入っていこう。

◆東急建(1720)が一時ストップ高。来年6月、地下鉄新線副都心線で池袋〜渋谷間が開通。埼玉県西南部から池袋、新宿を経由し渋谷を経て東急東横線で横浜につながる。渋谷を地盤とする東急&グループはこの後、渋谷再開発に注力することになる。前週末は、東京急行電鉄(9005)が人気となったが、2社そろって出番を迎えたか。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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