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2008/07/03

◆日経平均株価の連敗記録が止まるか、それとも、NTT(9432)の連騰記録か、どちらが先に止まるのか、と注目する向きもあったが、3日、NTTのほうが先に黒星を喫し、9連勝はならなかった。一方、日経平均は11連敗となった。過去第4位の連敗記録だ(TOPIXは7日続落)。原油価格など資源・原材料価格の高騰に歯止めがかからないこと、各国景気・企業業績への懸念の高まり、そして、米株式相場が年初来安値を更新し先安感が強まったことなどが背景。ただ、この間の日経平均の下げ幅は1187円、8.21%と、米国やアジア主要市場の下げに比べれば限定的ともいえる。インフレへの懸念が乏しく、金利上昇も比較小幅にとどまっていることが主因。それでも投資家の買い意欲はきわめて低下しており、出来高、売買代金などボリューム面は低水準で推移している。

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◆もっとも、ここまで下げれば、それなりの急反騰、リバウンド相場は期待されてよい。ただ、6月の戻り高値では200日移動平均線をクリアできずに、今回の下げで75日線を割り込んできたことから先行きを予想するならば、「戻りは限定的」であり、6月高値1万4600円水準を超えることが出来るかは疑問。<もし、次の上昇相場で6月高値を突破した場合は、今回の安値を3月17日の大底に対する二番底とした、小勢上昇第2波となる>のだが。ただ、ここからの、リバウンド相場は、日本市場の問題だけではなく、欧米、アジア各国市場の動向に反応する格好になろう。

◆NTTは一服した。代わりに、不動産、銀行株など大きく売り込まれた銘柄群のリバウンドが目立った。ただ、不動産、銀行株がリバウンド相場初期をリードすることはあっても、売り方の買戻しと値ごろ感からの短期買いが主力であり、小勢上昇第2波の牽引役とはなれないとみてよい。NTTの場合、ひとたび動意した時、相場のスケールは大きく、時間的にも相当の期間が予想される。筆頭株主である国は各社保有株売却を意識せざるを得ない財政事情があるやも知れず、また、海外の政府系ファンドなどにはNTTなど旧官営企業への買い安心感がある。●JR東海(9022)、JR東日本(9020)なども、ガソリン価格高騰に伴う自動車利用の減少や炭酸ガス廃棄量の低減に効果ありとの考え方から、利用者増、夏休み列車増発が予想される。また、JR東日本から始まった「駅ナカ」事業の拡大も後押しすることになる。なによりも完全民営化したことにより、不採算路線建設の押し付け圧力が減少していることが業績への追い風となる。

◆引き続き、1日に過去最高値を更新した自転車部品世界大手のシマノ(7309・大)、5月後半から続く1500円台の戻り高値圏での日柄整理の終了が近い自転車店展開のあさひ(3333)など自転車関連株に期待してよさそうだ。●アナリストの評価が分かれるのは筆者長年の注目株セイコーエプソン(6724)。外資系証券の格下げで3000円にタッチしたところで、別の外資系証券の格下げにあい反落した。が、<下値を2500円割れ水準とした三角保ち合いが煮詰まるのを待つ相場>とみて、押し目は拾いたい。●好チャート小型株では、PER12倍台の荏原ユージ(4975)、PER16倍台のパソコン周辺機器のエレコム(6750・ジャス)、PER6倍台で首都圏郊外に一次取得者向け戸建てやマンション販売を手がけるアネストワン(8895)の先高に期待!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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