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2008/12/11

◆11日の東京株式市場で、日経平均株価は60円31銭高の8720円55銭引け。7カ月ぶりに4日続伸した。5月12−15日以来であり、7月の洞爺湖サミットを控え環境関連株が高値をつけにいった場面以来のことだ。4日続伸再現に7カ月かかったという時間の長さは日本市場のみならず世界の株式市場の環境が次第に厳しくなった結果だ。明12日の株価指数先物及びオプション12月物のSQ(特別清算指数)算出を控え、先物主導で株価を押し上げた面もあるが、これは、明日になれば解消する動き。

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◆週明け15日には日銀短観(12月調査)が発表される。業況判断DIで大企業・製造業は前回調査比マイナス幅が拡大する見通しであり、同・非製造業は若干マイナス幅が減少する見通しにある。想定の範囲内ならば、業種別の動向に関心が向かおう。

◆また、同15日には会社四季報・会社情報の2009年新春号が発売される。会社四季報の場合は先行して「オール投資」誌上で前号比増額修正企業などがランキング付けされるなど紹介されている。が、それは限定的。前号との業績修正比較で明暗を分ける銘柄もあり、一時的にイレギュラーな動きも予想される。

◆11日、個別銘柄の値上がり率上位には出遅れ買いが続く不動産関連株が連日で並んだ。住宅減税の動きに続き土地譲渡税非課税枠設定方針との自民税調方針が伝わったことが後押しした。一方、10月暴落相場を乗り越え高値を追ってきた中小型株でデフレに強い好業績・消費関連株など当欄紹介銘柄の一角で利益確定売りに急反落する銘柄もあった。目先上値が重くなったセブン銀行(8410)やJPモルガン証券が目標株価を36万4000円から39万円に引き上げたものの投資判断を「オーバーウェイト」(強気)から「中立」に引き下げたカカクコム(2371)、8日の分割落ち後高値から3連敗したABCマート(2670)など。ただ、いづれも中勢上昇基調は変わらないとみる。

◆もっともチャート好転の個別材料株として紹介の、ショーボンドHD(1414)は連日でHD化後の最高値を更新しており、吉野家HD(9861)と東京製綱(5981)は75日線を超え、東京製綱は221円にある200日線突破まであと6円と迫っている。そして、低位思惑株の範疇にあり、クリスマスプレゼント銘柄と当初紹介したプリマハム(2281)は179円まで上げ、25日線を上抜き、11月の急落直前の肩197円を目指す動きが続いている。

◆では、資源価格高を受けて急反騰中の市況関連株は?「大きく下げただけに戻りも急」となっている。注目は総合商社株と国際石開帝石(1605)の動向。特に国際石開帝石は5月に144万円の新生上場後最高値を付けた後、原油価格のピーク比100ドル超下落する過程で失速。10月28日には42万4000円まで下落し、こちらは100万円を上回る暴落となった。そして今は、11月21日に42万8000円を付けた後の反発途上にある。同社株のポイントは、NY原油価格の動向、すなわち、世界景気と自動車産業の先行き動向であり、テクニカル面では、二番底確認のために、11月5日の戻り高値67万9000円を上回ること。さらに、きょう現在74万1720円にある75日移動平均線をクリアすることだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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