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2009/01/07

◆7日、日経平均株価は158円40銭高の9239円24銭と7連騰となった。出来高は更に増大し28億株を超え、売買代金は2兆243億円とともに昨年12月12日以来の高水準となった。6日のNYダウ工業が反発したうえ、NYで1ドル=94円台とさらに円安に進み、7日の東京外為市場でも一時94円台に乗せたこともあり、前日以上に輸出主力株を中心に買いが膨らんだ。

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◆6日の米国株市場では、引き続き、オバマ次期大統領が5日に示した7750億ドル規模の景気対策が奏功すると期待した買いが広がったという。前日、当欄は「とはいえ、大統領への過大な期待が凶刃にならなければいいが・・」としたが、結果は新大統領誕生後、20日〜100日が経過した頃に判明する?

◆日経平均は75日移動平均線のプラスかい離を回復し、一時9325円まで買われた。日経平均のチェック・ポイントは、これまで繰り返してきたように、昨年11月5日に付けた9521円を突破すること。あるいは、9628.5円にある日足ベースの一目均衡表の「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を突破することだ。7日続伸で過熱指標も散見されるが、昨年秋のつるべ落としの下げから見れば、反発はまだ序の口ともいえなくもない。

◆物色の流れの変化は前日よりもさらに鮮明化した。東証1部市場でストップ高銘柄は32あるが、シャープ(6753)が連日のストップ高となり、カシオ(6952)など電気機器株、ホンダ(7267)、スズキ(7269)を擁する輸送用機器株、キヤノン(7751)、東京精密(7729)などが属する精密機器株など輸出主力株の一角から数多くが出現した。そして、業種別値上がり率上位ベスト3をこの3業種が占めた。「日本株は景気敏感株といわれた」意味通りの相場が、どこまで続くかしばらく目を離せそうにない

◆一方、値下がり上位は、カジュアル衣料のポイント(2685)、ハニーズ(2792)がストップ安となるなど小売業が3位となった。トップには紙・パルプ、2位は電力・ガス・・と前日同様に内需関連株が上位に並んだ。昨年秋以降、当欄が主力としてきた消費関連を中心とした銘柄群は、「10月安値、12月高値のチャート」パターンとあって、年明け後、急調整に入った。前日、1011円をみた科研薬(4521)はあえなく失速、930円台まで続落した。週末で900円水準近くに下げると目先売りサインが点滅する。

◆株価は、「満れば欠くる。欠くれば満つる」。米国で原子力発電所建設受注が追加発表された東芝(6502)は太陽電池関連も注目される。テクニカル面は、前日に11月5日の昨年来安値後の戻り高値385円を突破した勢いは続き、この日は442円まで買われ26週線に急接近した。07年7月高値1185円、昨年6月高値953円からは大きく離れている。オバマ効果が期待される間にどこまで戻すか注目したい。

◆いずれにしても、これまでと相場が違った格好となったとき、しかも、消費がGDPの6割前後を占める米国で、オバマ景気対策がどれほど効果を発揮するかを、当欄のように疑問視している場合の選択肢は多くない。もし、米新政権の景気対策が奏功するとなれば、効果が現れたところを攻めていけばよい。少々の出遅れが投資にとって致命傷になるくらいの小さな景気浮揚などは、すぐ消えてしまう。しばし、沈思黙考。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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