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2008/01/04

◆2008年大発会はさんざんの相場となった。日経平均株価は3日続落。一時765円安の1万4542円まで下げ、11月22日につけた昨年来安値1万4669円を更新した。日本株式市場が年末年始のロングホリデイとなる間に、NYダウ工業平均が330ドル強の大幅下落となるなど米国株が大幅続落。つれて、欧州、アジア市場もこの間下落した。東京市場はこの米株の下落をこの日1日で丸呑みする格好で下げていった。東証1部市場で値上がり銘柄数は43、一方、値下がりは1662と圧倒。新高値銘柄はソキア(7720)1社のみ。といっても、同社株はトプコン(7732)の完全子会社となるべく1株640円でTOB(株式公開買い付け)の実施中。TOB価格に迫る形で大納会に続き1円だけ昨年来高値を更新したに過ぎない。もっとも、米国株は悪材料をかなり織り込んだともいえる。過去最高値を約28年ぶりに更新したロンドン金現物、100ドルにタッチしたNY原油価格・・には、地政学的リスクから投機資金が流入したと見られる。為替、株式、商品相場を次々乗り換え、新たなうねりをつくる短期資金の動きは、様子を見つつやがて株式にリターンしそうだ。週明けにもう一度叩かれ、失望感が広がるなかで次の動きを読む場面があってもよい。

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◆「日本パッシング」(日本通過、無視)がいわれるなか、政官は総選挙を意識した動きのほかはまるで見えず、民のかまどは火の衰えが目立つ。2〜3日の伊勢丹(8238)など百貨店・家電量販店の初売りは福袋効果もあり、多くの店舗で前年並みかそれ以上の好調スタートとなった。しかし、「初売りは特別」との見方が多く、先行き消費行動の好転が期待できるかはやや疑問が残るため、いずれも続落基調と冴えない大発会となった。●筆者本年注目株の日本化成(4007)は、あえなく06年12月以来の200円割れに。次は、06年10月安値188円がポイントだが、もう一段の下値も覚悟して「底値拾い」で臨みたい。

◆また、きれいな中・長期上昇基調を刻んできたJT(2914)が、上値をのぞいた後、大幅続落に転じ、一時3.3万円安の63.5万円まで下げ、短・中期的な動きを見る75日移動平均線を割り込んだ。12月21日に70.8万円の株式分割後高値を付けた後、大きく下げてきたことで、長期波動に変化がでてくるか、ここからしばらく留意したい。●さらに、家庭用ゲーム機「Wii」などの大ヒットで昨年11月に7.32万円の上場来高値を付け、三尊天井型チャートを刻んできた任天堂(7974)も、当面、年明けの下ぶれ留意銘柄のひとつとしてウォッチングする必要がありそうだ。●このことは、昨年相場を牽引した海運株についても当てはまる。NY原油の100ドル台タッチとバルチック海運株指数の軟化に、米国の景気後退が重なり、世界の船の荷動き低下、海上運賃下落リスクとなれば、昨年さんざん買った分の反動場面が現れてもおかしくない。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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