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2010/03/09

◆日経平均は前日比18円安の1万567円と3日ぶりに小反落した。前日まで内外不透明感後退を背景に日本株も堅調に推移してきたことから利益確定売りが優勢となった。8日の海外市場で、円は大半の主要通貨に対し下落した。この日の東京外為市場では輸出企業の円買いなどで1ドル=89円台と3日ぶりに円高に振れた。が、輸出関連株は頑強だったが、金属市況安を受けた素材・資源関連株や内需、金融セクターが軟調に推移した。12日の先物・オプションのSQ算出を控え、近年は3月のSQ後に大きく下げる例が多いとの指摘が見られるなか、模様眺め気分の強さが推し量られるように、日経平均の日中値幅はわずかに51円にとどまった。出来高も前日比2億7879万株減の16億1529万株、売買代金は2483億円減の1兆1025億円とともに減少、薄商いが続いた。

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◆前号紹介の検体検査機器大手のシスメックス(6869)が4.1%、230円安の5390円安値引けで6日ぶりに大幅安となった。同社株は、09年2月安値以降、昨秋に調整場面あったもののほぼ一本調子の上げが続いてきただけに。対ユーロで円高に振れたことを受け、当面の利益を確定する売りが優勢となったとみている。ただ、出来高はほぼ前日並みであり、大きな売り圧力がかかったわけではないであろう。高値警戒感から、下げが急となったと見ているが、当面、投資姿勢は「ウォッチング」に切り替えたい。

◆8日に、中央線沿線武蔵境の私立中高一貫校で35人が結核に集団感染したとのニュースがあった。かつて死の病とされた結核だが日本では過去の話となっていた。が、ビートたけし氏を「ストップ結核大使」に起用した「ちゃんと知らなきゃな、結核のこと」キャンペーンが続いているのはなぜ? 栄研化学(4549)は2月26日付けで、「LAMP法を利用した結核遺伝子検出試薬キットの製造販売承認を厚生労働省申請した」と発表している。非営利目的の基金のFINDとの共同開発で、判定までの時間は1時間以内と迅速化することができる。グローバルな結核の診断法として開発を進めており、国内外の結核撲滅に貢献していきたいとしている。もっとも、製造認可には時間がかかる。ただ、株価は08年10月につけた1999年11月以来9年ぶり安値476円を大底し、新型インフルエンザ大流行時の昨年8月には1296円まで大きく上昇した。その後、新型インフルの脅威が去り、株価も沈静化した。右肩下がりのチャートは魅力に欠ける。ただ、無理やりに見れば、昨年11月以来800円絡みの水準では打たれ強くなっているとの見方も取れる。まずは、ウォッチングを開始しよう。

◆介護事業最大手のニチイ学館(9792)が冴えない。800円台でのもみ合いから抜け出せない。9日付け日経新聞朝刊は、「旧コムスンから介護事業を承継した同社など3社の収益が改善。今10年3月期は承継事業が前期の赤字から一転、黒字に転換した」と報じた。同社の介護事業は、前期は営業赤字だったが、今期は黒字に転換する見通しだと伝えたが、値動きの悪さが敬遠され軟調展開に転じた。200日移動平均線、52週線が頑強な上値関門となり、昨年12月以降は両線に触れては反落する相場が繰り返されている。「買いは200日線、52週線を完全に下値支持線に替えた後からでよい」との見方から逃れられないでいる。が、なお、ウォッチングを続けたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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