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2008/12/19

◆19日の東京株式市場では、日経平均株価が78円71銭安の8588円52銭と3日ぶりの反落となった。18日の米国株が200ドル超の続落となったが、この日は前日から続いている日銀金融政策決定会合での追加利下げ発表を待つ格好で様子見気分が強かった。結局、今週の日経平均は瞬間的な下振れはあっても概ね8600円を挟んだ小幅往来が続いた。4週連続の小動き、様子見相場だった。週明けは、8500円台水準まで下がってくる13週線が上値の重しとなるのか、逆に、これを上回って下値サポートラインとして、大納会まで上値を試す展開となるかが注目される。

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◆トヨタ自(7203)は19日付けの日本経済新聞朝刊が、「年間予想を再び減額修正、初の営業赤字の公算」と報じたこともあり、続落。直近では25日線に頭を抑えられる格好で上値が切り下がっていることが懸念される。ホンダ(7267)や日産自(7201)など国内自動車トップ3、さらには、エレクトロニクス大手もソニー(6758)、パナソニック(6752)、シャープ(6753)も同様なチャートだ。世界景気後退(リセッション)と1ドル=90円突破の円高に、これまでさまざまな難関を突破し、日本経済の成長を牽引してきた2大産業が壁にぶつかってしまったということであろう。ただ、不況、失業・・に目を奪われ、先行きが見えないなかでも、我々のしらない、まさかと思うような新しい何か、時代を画す何かが卵から孵りつつあるかもしれない。その発見は、正月休みの研究課題としよう。

◆さて、大納会まであと5日と大納会の半日。当欄の公式年間注目株の日本化成(4007)がこの日、突然急騰した。19日付けの株式専門紙が1面で注目株として取り上げたことがきっかけ。物色難も手伝い、1100万株を超える大商いで一時46円高の172円まで買われるなど突飛高した。同紙記事は日化成がホームページで紹介した「みらいプロジェクト」の次世代新規事業概要からピックアップ。太陽電池、燃料電池向け材料をタイミングよく紹介したことから、目先資金の買いが殺到した。筆者が注目株とした材料である「ディーゼル車環境規制対応の高品位尿素液(アドブルー)」も紹介されていた。願わくば、昨年大納会終値205円回復で名誉も回復したいものだが、そんなに甘くないのがこの世界。高値飛びつき買いは止めたい。

◆ここからの注目は、セゾン情報システムズ(9640)。同社はセゾングループで情報処理、ソフト開発などを手がける。筆頭株主はクレディセゾン(8253)で同社株の46.8%を保有する。これは、ダイワボウ(3107)の急騰劇が続いていることがヒント。ダイワボウは今冬のインフルエンザは早くも流行ということと、09年3月にダイワボウ情報システム(9912)を完全子会社化することで、今09年3月期連結業績が様変わりすることが背景。当然ダイワボウ情報も急騰中だ。ならば、同社も同パターンとなっても不思議ない。同社は無借金の好財務、業績順調PER7倍台と割安感も強い。そして、エフィッシモキャピタルマネージメント(旧村上ファンド関係者が設立したファンド)が12月1日の大量保有報告書で保有株比率が9.83%から10.92%になったと報告していることも思惑を呼ぶかもしれない。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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