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2006/03/07

◆平均株価は2月下旬に25日移動平均線を突破しきれないまま反落し、ここ3日間は75日移動平均線を挟み上下どちらに向かうのか方向を探る格好となっている。背景にあるのは世界的な金利上昇への懸念。米国の利上げ継続、先週の欧州中央銀行の利上げ、そして、日本ではあす8日と9日の日銀金融政策決定会合での量的金融緩和政策解除もしくは4月にかけての解除への警戒感が広がっている。結果、NY金・原油先物相場は高値波乱の色彩を強めている。おまけに東京市場では10日の先物・オプションのSQ(特別清算値)算出を控えた仕掛け的な動きが出やすくなっている。

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◆不動産株指数は平均株価とそっくりの動きとなっている。昨年来(ザラバ)高値は2日早く2月6日に平均株価が付けたが、75日線との絡みぐあいなどはそっくりである。不動産株は金利上昇に敏感であり、全般相場の方向と一致する。ただ、以前、本欄で記したように、ゼロ金利政策はデフレ脱却への処方箋であり、デフレ脱却が確信できた時は解除すべきものだ。平均株価が1万7000円、2万円と上値を目指す基本条件の一つがゼロ金利の解除だといえる。不動産株の動向が注目されるが、いつまでも平均株価と動きが同じというわけにはいかない。当面の不動産に絡む注目ポイントは23日前後に発表される「公示地価」。それまではやや手探りの動きか?例えば、03年6月の安値128円から2年半強でほぼバイテン(10倍化)銘柄となった東急不(8815)の今期にかけての業績の急拡大は当時から予想されたもの。一段の業績拡大が予想されるとしても、3〜6カ月間の調整があっても不思議ない。不動産株指数、平均株価が75日線に対し一緒に上下どちらかに向かうか、逆方向に向かうか注意を払いたい。

◆きょうも堅調だったのが、ドル高円安を背景にしたホンダ(7267)、トヨタ(7203)やマツダ(7261)など自動車株と新日鉄(5401)など鉄鋼株。新日鉄は1日に91年6月以来の高値479円を付けた後、2日の業績増額修正発表でいったん448円まで売られた。が、そこから切り返しているもの。せっかく昨年9月下旬以来5カ間続いた上値関門を突破したばかりだ。つれて需給も大好転したばかり。ここで、再び400円台前半に沈んでいくようでは、平均株価の1万7000円台乗せは夏以降にずれ込む。今が踏ん張りどころである。トヨタに関しては、下値切り上げパターンにあるデンソー(6902)が上昇ピッチを加速するかどうかが鍵となりそうだ。

◆トヨタ、新日鉄株高で含み益が増大する本欄注目の◎岡谷鋼機(7485・名)もまた、75日移動平均線で下げどまっている。売り買いのタイミングを捉えるRCIでは25日RCIがきょうマイナス87.6%の売られすぎ水準まで下げてきた。30日RCIはマイナス69.3%まで下落と徐々に煮詰まってきた。ここから下値は限定的であり中期買いのチャンスと強気したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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