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2010/09/28

◆9月中間配当権利落ち日の東京株式市場で、日経平均は前日比107円安の9495円と反落した(推定配当権利落ち分は、日経平均で63円前後、なお、TOPIXは配当権利落ち分を入れるとプラスとなった)。27日の海外市場で、欧州の財政・金融システム不安がまたぞろ浮上したうえ、明28日の日銀「短観」発表を控え動きが鈍った。円が84円台前半で強張ったことも輸出関連株の足を引っ張った。そして、武富士(8564)がこの日会社更生法を申請したことから銀行株など金融セクター売りが続いた。加えて、後場後半、日経先物にまとまった売りが出たことから下げ幅を拡大。日経平均は24日に続き9500円台を割り込んだ。■9月調べの日銀「短観」では、現況判断は輸出の伸びなどから製造業、非製造業とも強弱はあるものの改善が予想されている。しかし、市場では、先行き業況判断は大きな懸念を残すとし、きょうの相場は後半に下げ幅を拡大したとの見方があった。政策効果は期待できず、円高進行に伴い輸出の伸びは鈍化。そして、裾野の大きな自動車産業はエコカー助成がなくなる。自動車各社は個別で補助金を出すとしている。しかし、従来ほど集客力があるかは不明であり、当面、自動車を買いたい人たちはエコカー助成金付きで購入したとみてよく、先行き反動減が懸念されている。

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◆医薬品の下げが急だった。内需セクターの中でも、後発薬優先型の政策と大型薬の特許期限切れから出遅れセクターとなってきた。しかし、武田(4502)の場合、配当利回りは4.6%と高く中間期末配当の権利取りが終ったことで、利益確定売りなどが先行した。一方、日経先物との連動率が高いファナック(6954)は中間配当落ちがあったにもかかわらず一時3カ月ぶりに1万1000円台を回復する場面があった。工業生産が急拡大中の中国やASEAN(東南アジア諸国連合)諸国での拡大が期待できるうえ、9月中間期末の株価を意識したファンドなどが日経先物価格引き上げを狙って買いを先行させている。●8年ぶり8000円台回復が目前となっているディズニーリゾート運営のOLC(4661)は配当権利落ちながら100円高の7850円引け。尖閣問題で中国関連回避の動きが強まり前週には急反落したが、13週移動平均線沿いの上昇基調が続いている。日本の遊園地・レジャーランドでひとり勝ちの同社を評価する動きは続いている。13週線水準に緩んだところからの打診買いを狙ってウォッチングを継続したい。●また、前号でちょっと紹介したというよりも、中期注目株のシスメックス(6869)はこの日6010円まで付けたことで、中国事業期待の反動が予想されることもあり、いったん調整に入る可能性がある。が、ウォッチングを継続しよう。●エコカー助成金がなくなったことで、中古車へ目が向けられるのではないかとの見方で注目されるのはガリバー(7599)。前期の大幅回復から今11年2月期は一転2割超の連結経常減益予想と厳しいが、株価は、7月戻り高値4500円をクリアすれば、5月安値2535円を基点とし8月の3115円を二番底とした上昇基調を確認することになる。きょうは200日線を超えて終了した。ほぼ8カ月ぶりのことだ。7月戻り高値更新を待望しつつウォッチングしていこう。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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