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2011/08/03

◆日経平均は前日比207円安の9637円大幅に続落した。2日の欧米株は、米財政赤字削減策が景気減速色を強めている米国景気を下押すとの懸念から大幅続落した。加えて、円が1ドル=77円台前半と高止まりしていることが景気・企業業績を押し下げるとの懸念から、日経平均は朝方から下放れた。寄り付き直後には9700円台を割り込み、さらに一時9610円台まで下落。後場は9600円台央でもみ合う展開となった。1部市場全体の92%の銘柄が下げ、TOPIX業種別株価指数は全33業種そろって下げる全面安商状となった。ちなみに、全33業種が下げたのは7月12日以来のことであり、3月の2日、10日、11日(東日本大震災発生)、15日、4月12日とあわせて今年7回目のことだ。値下り率上位で目立ったのは、素材・資源関連や輸出関連など景気敏感セクターであり、値下り率下位には内需関連が並んだ。

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◆米国では、2日発表の6月個人支出が予想を下回ったことが景気減速懸念を売る動きを後押しした。NYダウは大幅安で8日続落し中長期の相場を占う200日線を割り込み、一時6月16日の直近安値に肉薄した。また、S&P500種指数は終値で6月安値を割り込む厳しいテクニカル状況を迎えた。直近で大きく下げてきただけに、買い戻しなども入りやすくなっており、ちょっとした経済指標好転でいったんゆり戻す動きがあったとしても、好材料が続かねば一時的な反発に終ることを示唆する。NY原油先物(9月限)は5週間ぶりの安値を付ける一方、逃避需要が入ったNY金先物(12月限)は一時1トロイオンス1647.80ドルと過去最高を更新した。

◆前日も記したメッセージ(2400)は小反落したが、一時28万4700円の株式分割落ち後最高値を連日で更新した。続伸とはならなかったが、破天荒な相場のなかでどこまで辛抱できるか。内需関連の利益連続2ケタ成長、PER15倍台株だが、6月に「改正介護保険法」が成立したことが同社業績に追い風となることも買い材料となる。同社が入居時に入居金などを徴収しておらず、現在、注力中のサービス付き高齢者専用賃貸住宅「Cアミーユ」では自立〜要介護5の顧客にあわせたケアを提供。入居一時金や敷金はゼロであり、同業他社比で有利とは以前、当欄で記したとおり。ちなみに、都内板橋区で今年11月オープン予定の25平方メートル強の部屋では、総戸数48戸で、月額入居費用(消費税込みで16万300円)に家賃、共益費、生活支援サービス費が含まれており、別途、居室電気代・水道代、おむつ代、食事代(1日1365円)が必要となる。もっとも、買いは遅く、売りは早くの現状では、利益確定売りを優先し、「買い」ウォッチングとしたい。それ以上に強い相場となればいいというのはこちらの都合と考え、ここでの動きに注目したい。

◆なお、ウォッチング銘柄として当欄注目の科研薬(4521)も加えたい。日経新聞にも報じられたが、新発のジェネリック(後発)医薬品の薬価を先発医薬品の7割から6割に引き下げる可能性が高まった。これがチャンスとなるのが、抗がん剤ジェネリック医薬品に強みを持ち、バイオシミラー(次号で解説予定)の開発を進めている同社だ。6月年初来高値からの調整中できょう26週線を割ったばかりだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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