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2012/06/11

◆6月に入りこの日で7日目の営業日となるが、連日で上に下に極端な動きが続いている。日経平均株価は3月7日に1万255円の年初来高値を付けた後、4月11日安値9388円まで下落。9500円を挟みもみあった後、同月27日に一時9691円を付けたが、その後、一気に下げ足を早め前週4日に8238円まで下げ、昨年11月25日以来の安値に二段下げした。しかし、17日のギリシャ再選挙を控え動きにくいなかも、この日は、前週末9日にユーロ圏の財務相が電話会議で、スペインに対し最大1000億ユーロ(約100兆円)規模の支援を表明。スペインの金融不安がいったん一服するとの見方から、買い持ちの円を売る動きが広がり、大きく叩かれてきた輸出関連株を買い戻すなど買い先行の展開となった。

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◆この日、出来高上位30銘柄はそろって値上がりした。TOPIX業種別株価指数は全33中31業種が上昇、下げたのは内需関連の水産・農林業と小売の2業種のみだった。実は、6月に入り出来高上位30銘柄の星取表は、1日が2勝28敗(33業種別では2勝31敗)、4日も1勝29敗(以下同4勝29敗)、しかし、5日は28勝2敗(29勝4敗)、6日28勝1敗1分(27勝6敗)、7日27勝2敗1分(32勝1敗)となり8日は1勝29敗(0勝33敗)だった。神経質に一方に偏りすぎる相場では、投資家の悲観・楽観が別れ、極端に投資家の心理が揺らぐ結果にほかならない。市場に参戦している層が薄く、売買シェアの3分の2前後を占める海外勢の影響が増しているためでもある。■日経平均は、超長期的にはバブル絶頂期の1989年末を天井とした下落基調から逃れていない。世界のなかで日本経済の存在感がゆっくりではあるが着実に後退していることを象徴しているようだ。とはいえ、日経平均は相対的な存在であり、需給で決まり、業績で決まる。様々な指標を総合した水準値ともいえるが、好材料、悪材料を織り込みながら右肩上がりとなる時代はいつくる?

◆全体が分からなければ、個別の戦いで勝っていくしかない。が、当欄主軸の日マクドナルド(2702)は2円安で寄り付いた後下げに転じ、46円安の2262円引けだ。8日に発表した5月度既存店売上高が前年同月比11.0%減となったことが嫌気された(この発表で、8日のNY市場で米マクドナルドが0.7%下げた)。●牛丼の「すき家」を展開するゼンショーHD(7550)は2%下げて年初来安値を更新した。内需関連のディフェンシブストックとして売りが先行したが、外食各社の5月度既存店売上高が前年同月比大きく落ち込んでいることが背景。当然、理由はある。まず、今年5月は書き入れ時である土日が前年比で各1日少なかったうえ、昨年3月の東日本大震災の反動で5月に大幅に売上が伸びたことが重なったためだ。これまで比較堅調だった内需関連を売り、下げ幅がきつかった輸出関連株の戻りを取りに行く相場となったが、不思議はない。●ショーボンド(1414)は前号で(売りは)「200日線を割り込むまで持ちたい」としたが、この日年初来高値を更新した。ただ、今春来の上値関門の引力を完全に脱したわけではない。が、2100円台乗せとなれば2315円を目指すさらなる前進が期待できよう!?

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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