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2007/09/21

◆21日、9月中間配当など権利付き最終売買日で3連休を控えた週末の東京市場は、日経平均株価が1万6300円を挟む上下幅が108円ときわめて模様眺め気分の強い動きで終始した。この日のアジア14市場の星取表は8勝6敗。インド、香港がともに3日連続過去最高を更新し、主力市場で下げたのは日本と過去最高値水準にある中国のみ。その後、欧州、米国市場とも堅調。為替は1ドル115円央レベルまで円安に振れた。

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◆この日、33のTOPIX業種別株価指数で上げたのは、中間決算発表時に増額修正が期待されている鉄鋼株、7日続伸し過去最高更新が続くNY原油先物相場を背景とした鉱業、石油・石炭、商社株、27年ぶり高値に上昇してきた金や銅の先物高に後押しされた住友鉱(5713)などの非鉄金属、海運市況高が収益をかさ上げした海運株・・と市況産業株が堅調だった。日水(1332)の戻り相場に支えられた水産・農林関連・・など9業種。消費者金融や信販・クレジット関連株などノンバンク株は安値更新が止まらず、銀行株は厳しい展開が続く。半導体関連株、輸出株が売られる・・。NEC(6701)は米国上場をあきらめた、選択と集中もままならず泥沼時代が続く。新興市場の下げはとまりそうにない。一方的な後退相場が続く市場はもはや存在感を失ってしまった感がある。

◆実は、昨年6月頃、東京市場のパフォーマンスは世界市場に対し上位にあった。しかし、現在、主要市場で年初比マイナスになっているのは日本市場のみ。@政策面では日本株買いの始まりとなった「小泉改革」時代の終焉、すなわちバラマキ政治・規制強化への逆行。A結果として、日本の成長軌道への回帰の遅れ、B世界政治のなかで存在感が一段と矮小化していること、そして、C新興市場をはじめとした企業経営・決算への投資家の不信感増殖、C円高への反転に伴う輸出企業の業績上積み期待の後退。D8月から売り越しが際立ってきた売買シェア6割超の海外投資家の「日本株離れ」への転換・・などなどが不振の背景。■もっとも、政策の転換は期待薄だが、日本株復活の条件である「経済成長及び企業業績の拡大」は、可能だ。企業経営・決算への不信感を拭うことは経営者の課題だ。

◆テクニカル面は、週足は2週連続陽線で1万6500円水準が上値の重荷になっているものの。そう悪くはない。また、長期相場をみる月足ベースも「長期相場の下方転換を示唆する24カ月移動平均線割れの可能性が高まっていることがリスク。ただ、先月比小ぶりの月足で下ヒゲの長い小幅陰線足と、このまま月替わりを迎えてもそう悪くはない足となっている。

◆三井不動産(8801)が帝国ホテル(9708・東2)の株式取得を検討していると発表した。三菱の牙城、東京都心の日比谷地区での大型再開発を共同で手がけるという。帝国ホテルは1000円高の6590円ストップ高比例配分となった。●これを受け、本欄注目株で大阪名門ホテルのロイヤルホテル(9713・大2)に連想買いが入り一時10円高の337円まで買われた。出来高20.8万株は昨年4月3日以来の高水準だ。森トラスト傘下に入り大阪・中之島地区の旗艦ホテルの建て替え再開発計画が潜在するここは、強気の買い。●日合成(4201)、日カーボン(5302)はともに75日線が下支えする好チャートかつ好業績の材料株としてここから一段高が期待できそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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