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2012/01/19

◆日経平均は前日比89円高の8639円3日続伸。18日にIMF(国際通貨基金)が欧州債務危機回避に向け、新たに5000億ドル規模の資金を増強し1兆ドル規模に拡大すると発表。米国では発表された住宅指標が市場予想を上回ったこともあって、NYダウは昨年7月下旬以来の高値水準に上昇。つれて、アジア株もそろって続伸し、東京市場を後押しした。この日、証券・商品先物など金融関連や素材・資源関連、そして、円が小幅ながら対ドル、ユーロで続落したことから輸出関連が続伸。日経平均は昨年12月12日以来ほぼ1カ月ぶりに8600円台での終値となった。もっとも、後場に入ると、IMFが資金を1兆ドル規模に拡大しても、欧州債務危機への懸念が消えたわけではない。まず、今夜の欧米株の動きを見てから・・と、様子見気分が強まり8600円台央でのもみ合いが続いた。

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◆テクニカル面では、昨年8月の世界株式崩落後、日経平均は75日移動平均線や13週線が上値ネックラインとなってきた。この日は75日線、13週線を上抜いて終了したが、プラスかい離が継続するかどうかが重要ポイントとなる。気がかりなことは、前日に紹介したように、市場売買シェアの6〜7割を占める海外投資家の動向を観測する、「朝寄り付き前の外国人成り行き注文状況」で、年初来売り越しが続いていること。この日は売り注文2430万株に対し買いは1040万株にとどまり、差し引き1390万株の11日連続売り越しに拡大した。国内勢では年金資金の買いがその受け皿となっている格好で、上値を積極的に買い上がる勢力は、低位震災復興関連株など短期売買を繰り返す個人投資家やディーラーなどしか見当たらない・・。

◆こんな日は、内需株は動きの早い銘柄に乗り換える対象とされ、下げが急となる場合が多い。中国の金融緩和期待からコマツ(6301)やファナック(6954)が続伸したが、当欄中期期待銘柄で産業用ロボット向け精密制御装置を手掛けるナブテスコ(6268)も3連騰し前週の1300円台から1600円目前ち急浮上した。75日線を上抜き、26週線に急接近したのは日経平均と全く同じ足取りだ。ファナックはこの日既に、200日線、52週線とも上抜いた。ナブテスコが後追いして中長期線を突破するか、注目したい。

◆内需関連では、コスモス薬品(3349)が2日間で245円の大幅続落。一番やってはいけない大発会天井となってしまった。08年10月のリーマン・ショック時の上場来安値900円からの大長征だが、4.5%の高利益率、予想PER10倍台の不人気銘柄であり、3580円処にある52週線前後で下げ止まるなら、なお、買い余地がある。しかし、一段安となれば、中勢上昇基調は終了となる。注意してここでの動きを見守りたい。●また、コメ兵(2780)は昨年12月高値のほぼ3年ぶり高値544円にあと2円と迫まり、3円高の533円で引けた。内需関連ではあるが、金先物市況関連の切り口もある。なお、期待したい。●マクドナルド(2702)は12月最終週の大幅週足陰線が厳しいが、業績面はOK。あとは、その時を待とう。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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