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2009/04/03

◆著名な投資家ジョージ・ソロス氏は「市場は、常に不確実で不安定な状態にある。だからこそ、常識に頼らず、意外性にかけてみる者が金をつかむのである」といっている。当欄は直近でそういった発想に向かわず、対応しきれない場面が多かった。ただ、「中勢強気」を打ち出すには、テクニカル面では昨年11月5日の戻り高値9521円をクリアし、昨年10月28日安値6994円を大底、今年3月安値7021円を二番底と確定する必要がある。だから、当欄は「3〜4週間戻った後、調整局面があってもおかしくない」とのみかたをとり、腰が引けた格好となってきた。つまり、「総悲観のなかで新たな相場が始まった」のか、「悲観のゆり戻し」なのかを決定するには「昨年11月の戻り高値を突破するかどうかが鍵」となると見ており、もう少し時間が必要となる。

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◆日経平均は、前週末に中勢相場を占う26週移動平均線を上回って終り、今週もプラスかい離を継続した。また、きょうの東証1部の概算出来高は28億4069万株。売買代金は1兆8912億円と前日を上回り、出来高は今年第2位となった。そして、朝寄り付き前の市場筋推計「外資証券注文状況」も、買いが3610万株と前日比1090万株の大幅かつ連続増加で、売りは320万減の1790万株となり、差し引き1820万株の3日連続買い越しだった。本国相場の好転を背景に新規に買ってきたのか、買い戻しを急いでいるのかは不明。しかし、連続31日売り越しからの逆方向への動きであり、上昇ピッチを加速させた要因のひとつだ。買い越しが持続するとなれば、相場が変わりつつあることを示唆。目先調整局面は「押し目買い」となる・・。

◆もっとも、25日平均騰落レシオは3月26日に120%台乗せ、きょうは125.01%と微妙な水準。つまり、相場があとひと噴き、ふた噴きがあれば130%超(今回は3月二番底からのスタートという事情から150%前後が妥当か)の危険ラインを踏む。

◆当欄注目のエレクトロニクス株で電気自動車関連株でもある日電産(6594)が続伸。一時310円高の4960円まで買われ、昨年11月18日5000円台以来の高値まで戻してきた。75日移動平均線や26週線など中期相場を見る平均線は突破しているものの、200日線まで500円、52週線まで1000円弱残している。間に調整盤面を挟み上値を試す動きが続くとみてよさそうだ。

◆中国、インドの鉄道インフラ整備は低炭素化社会関連として注目され、事業規模から景気対策として注目されていることは、これまで日信号(6741)を当欄注目株とした時点から紹介してきた。新たに注目したいのは日車両(7102)。昨年10月にTOB(株式公開買い付け)によりJR東海(9022)の子会社となった。新幹線用新型車両の導入が目白押しとなっているうえ、海外の鉄道車両需要拡大が見込まれることから、急騰後の調整を待って買いたい。ちなみに、3月27日に370円を付けた後は360円台が上値の壁となっている。しかし、370円は1999年7月以来ほぼ10年ぶり高値!つまり、10年間のもみ合い相場からようやく飛翔を開始しようとしているとみてはいかがか。日車両の昨年1月安値159円は少なくとも1980年代以降で最安値であり、そこから、ほぼ10年ぶり高値に昇ってきたことは、先行き相場を期待してよさそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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