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2010/03/08

◆内外不透明感後退で安心感広がり続騰。3月第2週初めの東京株式市場で、日経平均株価は前週末比216円高の1万585円と200円を超える上げで続騰。1月25日以来ほぼ1カ月半ぶりに1万500円台を回復した。5日発表の米2月雇用統計で非農業雇用者数の減少が市場予想を下回り、欧州ではギリシャ問題に好意的発言があり、欧・米(SP500種指数)株とも6日続伸、為替は対ドル、ユーロで円安に振れ、NY原油・金先物や銅先物など海外商品市況も上昇。海外不透明感がいったん後退したことを受け、主要アジア市場はそろって朝方から伸長。東京市場は、景気敏感株主導で引けにかけ上値を追う展開となった。朝方発表された1月の日本の経常黒字額は前年比で6カ月連続の増加。輸出額、貿易収支とも前年比増加額が現行統計開始以降で最高となった。そして、東京外為市場では円が1ドル=90円台央となる場面もあり、物色範囲は拡大。TOPIX業種別株価指数は全33業種中31が上昇した。■しかし、市場エネルギーは乏しい。出来高は前週末比1.5億株弱増え4日連続で増えたものの18.9億万株にとどまり、2月16日を最後に16日連続で20億株割れが続いている。売買代金も2日連続増となったが1.35兆円にとどまり、活況とは程遠い水準だ。海外要因頼みの相場は変わらない?

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◆海外市場高を背景にこの日、外資系証券の朝寄り付き前成行き注文は、買い注文株数が前週末比930万株増となる一方、売り注文株数は410万株減少し、差し引き1380万株の3日連続買い越しだった。これは、調整色を強めてきた景気敏感株を中心とした主力大型株が引き続き物色対象となったこと。キヤノン(7751)など右肩上がり輸出関連主力の好チャート銘柄、三井物(8031)、三菱商(8058)など下値切り上げ型チャートで万年PER割安感の強い資源エネルギー関連セクターなどの主役銘柄と取り組む時のようだ。直近で紹介の介護関連、ジェネリック薬関連株は、利益確定売りが進むなかでは手を出さず、ウォッチングを続けたい。

◆検体検査機器大手のシスメックス(6869)が150円高の5660円まで上げ幅を拡大し、2月5日の株式分割落ち後高値5590円(株式分割考慮後では過去最高値)を1カ月ぶりに更新した。中国など新興国で臨床検査に使う医療機器の販売が好調に推移し、検査用試薬も伸長。今2010年3月期連結業績は前期比2ケタ最終増益見通しで営業利益を除きいずれも過去最高見通しだ。中国・香港は03年、悪性肺炎を引き起こす新型SARSウィルスにより医療現場が大混乱した。その後、生活水準の向上に伴い医療体制が整いつつあり、血液や尿を検査する医療機関の増加が急。同社は中国をはじめとしたアジア向けの拡大が続いており、業績を押し上げる。株価は、08年秋のリーマンショック時に暴落。そして、翌09年2月に二番底を打った後、上昇基調に転じた。昨秋に一息入れた後は、ほぼ一本調子の上げできょうまで上値を追ってきた。03年12月安値1000円から06年2月高値5420円まで長期上昇相場があった銘柄だ。08年10月安値から始動した今回の上昇相場は、ピッチがやや早いことが難点ではあるが、来期にかけての業績が好望視されるなかでは、ロスカット価格を決めた後、買いで臨むべきか。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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