2006/06/21
◆借入金が多いため金利敏感株の代表である不動産・建設セクターが揃って下げた。平和不(8803)が年初来安値を更新し、ダヴィンチ・アド(4314・ヘラ)やASSET(2337・ヘラ)など不動産ファンド株がそろって売られた。20日、村上ファンドでエラーした福井日銀総裁が記者会見で、ゼロ金利の早期解除も辞さない姿勢を示した。そして、金利先高感が広がり、売りが先行したのだ。不動産関連株の場合、昨年相場の業種別値上がり率トップだったことから下がりやすくなっていたのだから、福井総裁が2月に金融緩和政策を解除する意志をはっきり示した後、坂を転げ落ちるようにここまで下げてきたのは当然といえる。当分、不動産株は「戻り売り」作戦が有効となりそうだ。●東急不(8815)の場合、筆者が株式の業界紙に勤めていた02年12月末に新年の注目株とし昨年途中までは本欄注目株とした。02年11月の株価109円は、今年2月には1234円とまさに「バイテン」(株価10倍)銘柄となったのだ。わずか3年強で、だ!銀行の3年定期だといくらになる?デフレ脱却相場の主役は不動産株であり大手銀行株だったのだ。なお、本欄は現在、東急不ではなく東急グループの中核である東急(9005)を中長期強気銘柄としている。
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◆平均株価は、先物に引っ張られる格好で乱高下。最後はプラスを維持しきれず小幅ながら3日続落した。アジアでは主要8市場中で日本と台湾だけが下げたが、インド株が一本調子に反騰したことが平均株価を大引け前に一時プラス水準まで引っ張った。■欧州市場は、小幅高で寄り付きすぐ下げ幅を拡大した。再び利上げ継続観測に揺れる米国市場ももみあう展開が続きそうだ。
◆新興市場では、本欄こだわりのバイオベンチャー株が値動きと呼べるほどの上げ下げを見せ始めたことに期待している。●タカラバイオ(4974・マザ)が先に急騰劇を演じたことがきっかけとなっているもので、きょうは、●トランスジェニ(2342・マザ)が「がん診断薬の開発に着手した」と一部で報じられたことをきっかけに30円高の85円ストップ高となり、ストップ高カイ気配で1億700万株の買い物を残した。●本欄注目のアンジェスM(4563・マザ)、新日本科学(2395・マザ)に期待したい。
◆先行き不透明感を背景に東証1部市場で値上がり率上位に並んだのは低位思惑材料株。そのうち、富士紡HD(3104)が値上がり率5位、井筒屋(8260)は8位となった。これに加えて三井松島(1518)、ISID(4812)、池上通信(6771)の5社は、大株主の一人が同じであることが思惑買いを誘っている。また、富士紡と池上通は直近チャートが同じ格好で急落しており、きょうは揃って年初来安値をつけた後、富士紡が値上がりし、池上通は下げ幅を縮小して終った。