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2008/05/09

◆日経平均株価が8週間ぶりに週足陰線となった。3月17日安値を基点とした上昇相場だったが、5月7日に1万4208円高値に買われ、1万4000円台を達成したことで一区切りが付いたとみた利益確定売りが広がった。売り急がせたのは、8日の米国取引終了後に発表した保険最大手のAIG決算悪から、9日の米国株下落懸念が広がったこと。そして、前日8日に発表したトヨタ自(7203)の09年3月期連結業績予想が9年ぶりに減収減益となり、営業利益は前期比3割減だったことから、全般売り相場へと広がっていったもの。日経平均は3月17日の年初来安値1万1691円から7日高値1万4208円まで21.5%上昇したのだから、良しとすべきであろう。何よりも、米サブプライムローン問題で負け組みとなった銀行など金融株と不動産株が先週にかけ急人気化したことも、悪しき兆候だったともいえる。1万4000円台固めの余裕はもうなかった。

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◆3月期決算の発表は来週をピークに過ぎてゆくが、トヨタの今期業績予想に対し、株価は180円安の続落で答えた。日経平均や多くの銘柄の年初来安値は3月17日だが、トヨタは、4月14日に3月18日安値4810円を下回り、そこから5月7日の直近戻り高値まで16%の上昇を見て、3日間だが75日線を上抜いた。■トヨタの今期業績予想に対し、実はアナリストの評価は高い。「変わらぬ保守性、高まる信頼」(モルガン・S)、「今期収益予想には増額余地十分」(クレディ・S)、「大幅減益で驚くよりも。営業利益を1.6兆円、営業利益率6.4%も出せる実力を評価すべき」(日興CG)などとしている。ここから下値は限定的とみている。

◆前号紹介の日本風力開発(2766・M「マザ)が、一時1.4万円高の46.3万円まで買われるなどほぼ全面安商状のなか頑強展開となった。3月4日高値をトップに同月11日安値をボトムとした三角保ち合いが続いてきたが、上放れが鮮明化しつつある。「強気」で攻めたい。前号で指摘したように、新規上場年の03年12月の株式分割落ち後、今年1月まで30万円台を頭にモミ合う展開が3年間も続いた。「長期横ばい銘柄は、モミ合い期間が長ければ長いほど、上に行くエネルギーが蓄えられる」との兜町格言もある!福田首相は7月洞爺湖サミットを前に、「低炭素化社会実現を目指す」とぶっているが、(首相は太陽光発電及び燃料電池自動車の開発を主眼としているが)風力発電もその一角を占めると考えるのが筋というものであろう

◆同じく03年3月上場で、今年1月22日の上場来安値16.7万円まで下げ続けてきたのが東京エレク(8035)の子会社で半導体製品の専門商社・東エレデバイス(2760・東2)だ。業績は2ケタ増収益でPER8倍台の好業績割安株だが、3月17日に同値で二番底を打ち、これまでなかった、日足ベースの一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を上抜いており、上放れはじめたここから3月の上値関門48.3万円突破、までが買い場と見ている。●建築現場の廃材処理などを手掛ける省電舎(1711・マザ)は4月高値34万円から調整安にきのう8日に25.5万円まで下げ75日線にタッチ。9日には29.9万円まで反発した。薄商いだが、押し目を拾う考えを捨てるべきではない。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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