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2015/08/19

◆日経平均株価は前日比331円84銭(1.61%)安の2万222円63銭と3日続落した。18日の欧米株は小幅安推移となり、NYダウはプラス圏場面があったものの上値が切り下がる格好で4日ぶりに反落、SP500種、NASDA指数は3日ぶりに反落した。欧州市場でも独英が小幅に3日続落となりその他市場も小幅続落した。円は海外市場で横ばいとなり、東京では小反落スタートとなったものの、その後下げ幅を縮小する格好となったことから、後場には日経平均は下げ幅を拡大。200〜300円安水準でもみ合った後、引けにかけ下げ幅を拡大する格好となった。この日、中国上海総合指数は売りが先行し、一時5%と大幅続落場面があり、東京市場を冷やした。同株価指数は終値ではプラス転換して終了したが、円の動きが重くなったことが利益確定売りを誘った。 バブル期以降の証券時代には筆者も証券会社とは違った独自の各種株式講演会や月例会に参加し、大阪花博時代には建設中の関西空港工事現場や工場見学に出かけていた。そんななか、日経の編集員として健筆をふるっている方がいらっしゃる。当時、何度も会合で披露された時代の切り取り方、見方は、16日発表の記事「世界がヒヤリ、中国お化けの正体を見れば」でも変わりはなかった。「米国に関しては、中国失速も直接の影響は軽微だが、アジア諸国や資源国が音を上げて、ドル高が進むことがリスク要因。中国の失速に伴う国際商品市況の崩落も見逃せない。輸入国の日本にとって資源安は朗報。気掛かりなのは中東の政情不安。サウジアラビアでも自爆テロが起きているが、万が一にも体制が揺らぐようだと、世界経済のシナリオはちゃぶ台返しとなる。中国発のリスクの広がりは、データに基づく情勢分析が欠かせない。夏の肝も試しではないのだから、中国お化けに一喜一憂するばかりでは大人げない」・・と記した。その切り口に久々に感心させられ、論客ぶりを思いだした。当欄も、日々の個々の銘柄の値動きにこだわりつつも、少し、斜に構え、正面から見据え・・、こだわりを広げて当欄に向かいたいものだと改めてこの日、思わせられた・・。

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◆当欄主戦銘柄のひとつ、5日に決算を発表済みの日本製紙(3863)がこの日の日経朝刊に「18年3月期までに資産売却で800億円前後の資金を捻出する方針だ。進捗が順調なため、従来目標の約500億円から売却額を積み上げる。持ち合い株なども対象とする予定で、得た資金をM&A(合併・買収)に投じて資産効率を高める考えだ」と報じられた。そして、「保有の四国コカ・コーラと中国の段ボール原紙メーカー株式を売却し合計650億円程度の資金を得た。大型の売却案件にもメドがつき、これからも資産売却を続けてさらに100億〜200億円の資金を捻出する(馬城文雄社長)」と伝えた。さらに、「3月末時点で政策保有株残高は700億円超と高水準であり必要性を点検し売却を進めていき、工場の遊休資産や社宅など不動産売却も検討。そして、売却資金は海外事業の強化に向けたM&Aに使用する。化成品分野の買収も検討。3年間でM&Aに300億円を投じる計画だったが、投資額をさらに増やす可能性もある・・と記した。本業での利益成長プラス資産入れ替えで目標達成を目指し、有利子負債は増やさず成長投資を積極化させる狙い・・という。市場ではまだまだ後位人気に甘んじている銘柄だ。が、現体制下での株価は13年最安値1189円を起点として、昨年10月安値1482円を二番底とした13週、26週移動平均線沿いの上昇基調にある。先に記した、再生可能な資源である「木」の新たな可能性を拓くパルプ化技術からナノ化(微細化)技術へと応用範囲を拡げる、これまで記してきた「セルロースナノファイバー」の素材開発リーダーでありトップでもある。中長期銘柄として引き続き同伴走行をしていきたい。

◆大手ゼネコン株では大成建(1801)、清水建(1803)、鹿島(1812)はこの日は年初来高値から反落も、大林組(1802)は3日連続年初来高値を更新し91年6月以来の高値となった。が年初来高値更新と買われた。2027年品川―名古屋間開業をめざすリニア中央新幹線建設、2020年東京オリンピック・パラオリンピック開催で工事の受注が見込まれるなか、相場は時間をかけてさらに熟成していく!?なお、先行き相場を期待したい業種である。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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