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2015/10/21

◆日経平均株価は前日比347円13銭(1.9%)高の1万8554円28銭と続伸し9月9日以来の高値水準に戻してきた。前日の欧米株が反落したことから、朝方こそ売り先行となったものの、円が外為市場で続落展開となったことを受け上げに転じ、主力株をはじめ幅広く買いが広がり、後場後半にかけてじり高展開となった。業種別株価指数は全33業種ともそろって上昇した。●トヨタ(7203)は147円高の7467円と3日ぶりに反発し、テクニカル面では、9月安値6669円を8月年初来安値に対する二番底として、再び、7800円、7900円台にある長期相場指標200日線、52週線に挑戦する格好にある。先に、2050年に向けた環境取り組みプランをまとめて発表しており、2050年に世界で販売する新車の平均走行時の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で90%削減するという。燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)などの販売を拡大し、電動化技術を向上させて各種次世代車開発を推進する。14日に、FCVの販売台数は20年以降に年3万台以上、ハイブリット車(HV)は年間150万台、累計1500万台目標とし、世界の生産工場で、再生可能エネルギーと水素利用で50年のCO2排出ゼロを目指すとした。20年には東京オリンピック大会を控えており、政府の「水素社会の実現」目指す動きをてこに、同社もまた、インフラ整備を促進する動きだ。
 もう一つの大型株新日鉄住金(5401)が売り先行も持ち直し大幅高で続伸した。21日付日本経済新聞朝刊は「今期3月期連結経常利益は前期比3割減の3000億円」と報じたものの、「中国景気減速を背景とし業績が厳しいとの見方は織り込み」として買い優勢の展開となったのも、この日の相場の強さを示唆した格好だ。

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◆三菱食品(7451)が5日続伸。後場に上げ幅を拡大し6日の年初来高値を更新した。一時、13年4月以来2年半ぶりの3000円台回復にあと30円と迫る場面もあった。加工食品卸売事業会社だが、同事業態は、メーカーのコストアップで業績が悪化し、メーカーの値上げに少し遅れて業績は回復に向かうのが通常パターン。同社8月発表の2016年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比1.3%増の5849.53億円と小幅だったものの、営業利益は63.5%の24.64億円となり、前期第4四半期営業36.3%増の43.92億円に続く大幅伸びとなったことから、11月第1週発表予定の上期決算への期待感も買いを誘っているようだ。
 「日本の問屋は永遠なり」の著者有賀泰夫アナリストは「加工食品卸売業はメーカーのコストアップで業績が悪化し、メーカーの値上げに少し遅れて業績が回復する傾向にある。年初来、メーカーの値上げが相次いでいたことから、加工食品卸売業の業績回復を予見してきたが、同社の業績発表で改めてそれが確認された」と指摘。そして、「前回は2005年度から07年度にかけてグローバルなコストアップにより大幅に業績が悪化した後、07年秋口ら始まったメーカー値上げにやや遅れて、急速な業績回復を示した。今回もまさに食品メーカーの値上げが本格的に始まった15年1-3月から増益に転じ、4-6月は回復の加速が見られているという。
 同社では、今期の重点施策として「流通最適化に向けた機能強化と成長市場への対応強化」を掲げており、持続的な成長を実現し、「中経2015」の定量目標(売上高3兆円、経常利益300億円)で掲げた「経常利益率1%」への挑戦を続けている。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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