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2007/10/09

◆9日、3連休明けの日本市場は、これまで上げてきた銘柄、セクター(鉱業、石油・石炭、非鉄金属、鉄鋼、商社)を売って、逆に、下げ続けてきた新興市場や小型株、セクター(繊維、食料品、水産、証券、ノンバンク)を買う、「先駆株売りの出遅れ株買い」、いわゆる「リターン・リバーサル」の動きが強まった。新興市場、小型株物色に対し、大型株の動きの鈍さが目立った。5日発表の米雇用統計をみて米景気懸念が後退し、為替も円ドルでは1ドル=117円台へと円安が進行したこともあり日経平均株価は3日ぶりに反発した。7月30日以来となる、<200日移動平均線へのプラスかい離回復、上昇基調の一段の鮮明化>はあと140円強に迫った。既に、週足ベースではこの日、52週線を上抜き、26週線に対しあと76円に迫っており、10日にもこれを上回る勢いだ。アジア14主要市場の星取表は11勝3敗、インド、シンガポールがこの日も最高値を更新し、続いて、欧州各国市場は引けにかけ上げ幅を拡大し、米国株は後半上げに転じ、NYダウは最高値を更新した。

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◆巻き返し組で注目したいのは、薄膜系太陽電池製造システムのアルバック(6728)だ。シリコンウエハー系太陽電池と比べスパッタリング装置が必要となる一方、洗浄装置が必要なくなるが、同社は真空技術を出発点に液晶パネル製造用スパッタリング装置では世界シェア100%に近いことが、先行き優位となる。株価は、8月10日に5390円の上場来高値を付けた後、8月17日の全面安時に向け腰折れ、その後、今08年6月期連結業績の2ケタ増収、3%経常増益予想に、増益率の低下が嫌気され、今月3日には3530円まで下げた。この日、一時3910円まで反発もチャートはひところに比べ若干悪化。出遅れリバウンド狙いの動きとなっているが、3800円台以下はPER割安感もあり底値圏と見てよい。短期急騰なら急反落も想定すべきだが、長期上昇基調にあることに変わりない。じっくり育てる気持ちを持っての目先相場参戦もOKといえる。

◆原子力発電関連株では、筆者本年注目株の東芝プラシス(1983)。値動きは、トウアバルブ(6466・東2)が70万円台の上場来高値圏入り目前の強い動きに対し、いかにもじれったい。これは、今3月期業績予想をあの保守的過ぎるJUKI(6440)同様に、大幅経常減益予想で始動。7月末の1回目の増額修正に続き、この日午後の取引時間中に再増額修正を発表。2度の増額により減益幅は大幅に縮小したが、同社の業績予想にはJUKI同様、減額修正を恐れるあまりにも保守的過ぎ、結果、これまで、何度も投資家を失望させてきたことは反省すべきであろう。先行き、「選択と集中」を進める東芝(6502)の動きから、同社は吸収合併される可能性もありそうだが、増額発表のここは、9日に続き、8月高値をうかがう展開を期待したい。

◆東武(9001)の新東京タワープロジェクト関連株で、出遅れ割安感が強いのは、耐震材など構造機材製品を手掛けている岡部(5959)だ。02年12月安値118円を基点に、9日、91年11月以来ほぼ16年ぶりに700円まで上げてきた。自動車向け比率拡大に会社側は意欲を見せており、新たな面もみえてきた。新タワー建設予定地に近く思惑人気も取り込んだ値動きの軽い相場が期待できそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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