バックナンバー

2007/04/27

◆新日鉄(5401)は朝方803円まで買われたものの、13時30分に前期決算と併せて08年3月期連結業績予想を発表した後、反落に転じた。前期経常利益は表面上前の期比9%増(前の期の利益かさ上げ要因を除けば27%増)、今期経常利益は前期比微増の6000億円を予想する。前日はJFE(5411)が同時間に同様な業績を発表したのをきっかけに上げ幅を拡大していったが、この日は逆に下げに転じた。■日経平均株価は前場9時半過ぎに1万7500円台を回復した後、下げに転じた。前日ときょうの違いは?NYダウは連日で過去最高値を更新したが、アジア市場では開場15市場の星取表が5勝10敗となり、前日の軒並み高と逆方向に動いたことであろう。NY株の景気懸念を置き去りにした行き過ぎへの懸念と自国市場での利益確定売りがアジア市場の調整を求めた。日本市場の下げは、月末要因に加え連休控えということで、連休中の海外市場の波乱リスク回避の投資行動に走った結果ともいえる。

PR : 誰よりも早く!業界初の「分足テクニカル・スクリーニング」。


◆4月の日経平均月足は、「小幅陽線、高値圏でのモミあい」となり、アジア市場の過去最高値更新続出に対し出遅れ感が強まった。注目すべきは、日足ベースで、1万6593円でにらみを利かす200日移動平均線を除く、6日線、25日線、75日線が1万7400円台前半に収斂(しゅうれん)してきたこと。通常、こういったケースでは「上下どちらかに放れた方につく」ことが投資の基本となる。ちなみに前回こんなパターンとなったのは、昨年12月5日。この時は、1万6000円とび台にある200日線に対し残る3指数は1万1650円を挟んだ水準にあり、この後、2月下旬の世界同時株安の日まで上値を追っていった。

◆以前も本欄で記したように、「米国景気は住宅問題によって不況に陥ることはない。株価が天井打ちすることはない」と今も考えている。米国経済の懐の深さを評価していること。そして、住宅投資の過剰については長く警戒され続けた問題であるからだ。市場は、突然予期しないニュース、情報が飛び込んできた場合にはサプライズ(驚き)があるが、指摘され続けた情報の現実化にはそれほどサプライズはないものだ。

◆東京市場の場合は、短期的には、昨年6月基点の上昇相場の踊り場を形成している。景気が思うようには上向かないナ、という思いや今期企業業績予想を確認したいことが背景にある。新興市場のどうしようもない状況は、昨年1月の「ライブドアショック」以来の企業の決算や経営、M&Aなどへの不信感が拭えないどころか、不信感が増していることが背景。

◆筆者本年注目株、東芝プラシス(1983)が、月末に8.5%の暴落となった。きょう13時30分に発表した今08年3月期経常利益予想を前期比41%減とし、大幅減収減益見通しとなったことが嫌気された。減益幅が大きくなったのは、前期業績が予想を大幅に上回った反動もあるが、いかにも上ヒゲの長い月足は当面の株価の逆境入りを示唆する。●また、本欄推奨株の東芝機械(6104)は、引け後発表の前期決算が上ぶれ、今期は減収減益見通しだ。高値モミ合いから下振れるようだと深押しリスクが高まるが・・。

PR : リアルタイムで「買い信号」点灯銘柄をスクリーニング。


魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

愛用のチャートソフトはSTOCK BOARD

リアルタイムチャート

スクリーニング
STOCK BOARD
2週間お試し受付中!
メールマガジン

アナリストレポート「魁」など有力銘柄情報を配信〜トレーダーナビ

   

メルマガバックナンバー

powered by まぐまぐトップページへ