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2008/08/04

◆世界の株式市場はいつまでうつむき加減の情けない相場が続くのか。小泉元首相は看板倒れではあったが、「改革改造内閣」を任じ、「改革なくして、成長なし」、「改革賛成か、反対か」と分かりやすい言葉で国民に迫ったが、安倍前政権に続き、福田改造内閣も「反小泉路線、規制強化内閣」とあって、国民の間に閉塞感が広がったまま。4日、誕生後最初の日のマーケットは、(前週末1日の米国株大幅安もあって)日経平均株価が約2週間ぶりに1万3000円台を割り込む、情けない相場のまま終始した。東証1部市場の値下がり銘柄数全体の80.5%に達した。

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◆発表が峠を越えた08年4〜6月期(第1四半期・1Q)業績の結果に失望感は強い。1Qから業績予想の減額修正発表が相次いだ。何よりも、世界最大手の自動車メーカー・米GMが、アナリストから「倒産があっても不思議ない」などとさえ言われてしまう米国景気の後退。消費不況は、7月も米自動車販売不振となって現れた。今年、GMに代わり世界トップとなるべく自動車販売台数1000万台大接近目標だったトヨタ(7203)&グループに襲いかかり、減額修正を余儀なくされたという意味は大きい。トヨタの失速は日本企業のおかれている事業環境ので、日経平均の上値はすっかり重くなってしまう。年初来高値銘柄は、食料品セクターから9銘柄、医薬品、小売から6、電力・ガスで3など31銘柄だったのに対し、新安値銘柄数は不動産、建設で23にのぼり、機械、自動車(輸送用機器)、電機の3業種で49銘柄におよんだ。

◆そんななか、当欄注目のセブン銀(8410・ジャス)は、前週末1日発表の1Q単独決算の好調発進を受け、7月上場来高値27.7万円を更新し、28.06万円まで買われた。ただ、その後、利益確定売りに押され、結局、下げに転じた。当欄にとって数少ない短期〜長期強気銘柄だが、「月曜日の高寄り、安値圏での陰線引け」チャートには、目先、反落局面を想定せざるを得ない。長期的にはともかく、短期的には前号記事は強気すぎた?

◆一方、前号で<「強気」継続。とはいえ、市場リスクが残っており、持ち株の半分は利益確定売りしたい>とした大型自転車店をチェーン展開するあさひ(3333)。4日付けの日経新聞朝刊が、「国土交通省は2010年度から自転車専用道路を集中的に整備する方針。2010年度から20都市程度を選び、1都市当り50キロメートル前後の専用道路を整備することを検討する」と報じたことから7月29日の上場来高値1800円にあと10円まで迫ったものの、引けにかけて失速。1603円まで下げる場面もあった。これまた、中期強気は継続も短期波乱は止む得ないところか。●これで、58.1万円まで買われ、年初来高値を更新したNTT(9432)が調整色を強めるようでは、全般相場の先行きが思いやられる。2日付の日経新聞朝刊が、「1Q連結営業利益は、3000億円台後半と、前年同期の2992億円を大きく上回ったようだ」と観測報道したことが好感されたもの。前週末1日に75日移動平均線が200日線を上抜く中長期線のゴールデンクロスを示現、上昇基調入りを鮮明化させたばかり。いったん利益確定売りに押されても、先行き一段高が期待される。●もしもしホット(4708)は1Q業績伸長が好感されたが、来るべき総選挙関連株銘柄でもある。時価買い、ボックス上放れを期待したい。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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