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2007/06/12

◆この日、日経平均株価は73円安となったが、実感は150円以上の大幅下げだった。それは、値下がり銘柄数1280に対し値上がりは357と値下がり銘柄数がいかにも多かったうえ、前週まで好人気だった海運株、鉄鋼株、原発関連株、資源関連株・・などがそろって大きく値を下げてしまったからであろう。また、マザーズ指数やヘラクレス指数が4か続落するなど新興市場がまたまた軟調展開となってきたことも場況悪化感につながった。アジア太平洋17カ国・地域市場はどうかといえば、星取表は13勝4敗と日本以外の主要市場はそろって上昇しており(4敗は日本、タイ、ベトナム、バングラデシュ)。日本株の弱さが目立った。主因は、金利先高感が上値を重くしたことか。

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◆原子力関連株相場の象徴というべき日製鋼(5631)は7日に1969円の上場来高値をつけた後、3日続落となった。足元業績の良さ(今3月期会社予想は慎重)と将来の原子力発電マーケットの拡大、そして、地球温暖化対策など環境悪化への危機感が、信用需給のひっ迫感を追い風に大きく値を上げてきたものだが、環境問題を主要テーマとしたドイツでのサミットは先週末に終った。02年11月のバブル後最安値50円からの大相場。昨年7月安値627円からでも3.1倍だ。いったん一息を付いてもよかったということか。引き続き、ウォッチングしていきたい。●本欄では、原発関連株の注目株として、原発用バルブとメンテナンスを手がけ、原発関連の売上高比率が7割ときわめて高い岡野バルブ(6492・東2)を最注目株としてきた。02年のバブル後最安値90円から今月7日高値920円まで10倍化した。●そして、トウアバルブ(6466・東2)は買い推奨しきれないうちに5月1日に46.8万円の上場来高値をつけ、岡野バルブ同様に、02年11月の上場来安値3万4000円からの中期上昇第3波を仕上げてしまったかという恐れもある。いずれにしても、<原発関連株相場は、2010年代央の原子力産業隆盛を夢見た相場でもある>。■ただ、この日、東芝(6502)が一時25円高の968円は、2000年9月以来7年ぶり高値に買われたとはいえ、三菱重(7011)は原発関連人気以外の面からの好人気だったうえ、日立(6501)は小幅な上昇に止まるなど原発の主力銘柄は買われすぎたわけでなく、次の原発相場への買い余地を残している。■また、筆者が検討中だったのは日ギア(6356・東2)。歯車・減速機専業で、原発・火力発電所、石油プラント、上下水道などの設備機器として伸びてきた。注目点は歯車装置・アクチュエータが原子力発電・石油向けに先行き伸び、原発メンテナンス事業の拡大が期待されること。株価は5月下旬の好決算発表後一気に上昇。前日には549円まで買われ96年8月以来10年ぶり高値を付けたが、直後、上げ幅を一気に縮小し、目先「売り」を示唆する「高値圏での長大上ひげの日足」となってしまった。下値波乱を拾いたい。

◆含み株の指標と見る日銀(8301・ジャス)が15.6万円と連日で年初来高値を更新。05年11月の直近高値16.2万円に迫ってきた。この後は、95年8月高値25万円が目標株価となる。おいそれと買える金額ではないが、この日、含み資産関連株片倉(3001)は急反落したが、日清紡(3105)は91年1月以来の高値となった!いずれも、チャートは壊れておらず買い推奨を継続する。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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